不登校の子の心を強くするためにできること

不登校支援

こんにちは ツナカン です。

公認心理師として

不登校のお子さんや

子育てに悩む親御さん

学校の先生方の応援をしています。

 

 

お子さんが不登校になると

うちの子は心が弱いから学校に行けない

またお子さんも

こんな自分はダメな人間だ

しばしばそんな考えに陥ってしまいます。

では,心の強さとは何なのでしょうか。

近年,心の強さとして

レジリエンス(resilience)

が注目されています。

レジリエンスとは

心の強さ・柔軟性

のことです。

 

今回は,このレジリエンスの観点から

不登校の子の心を強くするにはどうしたらいいか

について解説します。

 

結論は

他人からの支えと,その子の力を伸ばす

です。

 

以下に解説していきます。

 

これを読んでいただければ

お子さんの心を強くするためにできること

お子さん自身が心を強くするためにできること

がわかります。

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不登校の子の心を強くするためにできること

お子さんが不登校になると

親御さんは

自分の育て方が悪かったのかも

と悩むことは多いです。

またお子さんは

親に迷惑をかけるなんて
ダメな自分・・・

 

不登校になるなんて
ダメな自分・・・

こんな風に考えてしまいがちです。

またそんな時

もっと心が強ければ・・・

そんな風に思うでしょう。

この心の強さをきたえる方法は以下の通りです。

  • マインドフルネスにとりくむ
  • 身近な人のサポートを得ること
  • 日常生活を規則正しくすること
  • 誰かの役に立っている感覚があること

です。

以下に説明していきます。

 

 

 

マインドフルネスにとりくむ

マインドフルネスとは

今この瞬間に,価値判断を持たずに選択的に注意を向けられること

です。

 

言いかえると

感情や考えに振り回されずに
自分で選んだものに注意をむけられること

です。

マインドフルネスのことや

マインドフルネスワークについては

別の記事にゆずります

【怪しい?】マインドフルネスの「効果」について
【超簡単】悩みごとを増やさない「カンタン観察瞑想」
【超簡単】悩みを重くしない思考法「~の他に何がある?」
【わかりやすく解説】今この瞬間に集中するときの感じ
【簡単解説】マインドフルネスはなぜ効果を持つのか【体験付き】

 

 

不登校のレジリエンスについて

こんな指摘があります。

困難なことに対して

さまざまな角度から考え冷静でいられることが

不登校傾向を弱める
小林朋子・渡辺弥生・五十嵐哲也(2019)小学生から高校生までの不登校傾向とレジリエンスとの関連.日本教育心理学会第61回総会発表論文集.

 

自己理解が高いものは

起こった出来事や出来事に対する自身の気持ちや行動に対して

冷静で客観的な視点を持ち

幅広い捉え方をすることができ

新たな意味づけを持たせることができると推測される
田島海南子・石田弓(2019)ネガティブな経験の反すうとレジリエンス及びソーシャルサポートとの関連.広島大学大学院心理臨床教育研究センター紀要,広島大学大学院心理臨床教育研究センター紀要 (17), 2-17, 2019-03-31

 

いずれも

マインドフルネスを高めることは

レジリエンスを高める

ことにつながりそうです。

 

ですから

マインドフルネスワークを強く勧めます。

【不登校支援】なぜ不登校の子どもたちにマインドフルネスをすすめるのか
【簡単】だれでもできる瞑想法

 

 

身近な人のサポートを得ること

身近な人とは

保護者

教師

それからきょうだいや友だちがいます。

ここでは保護者・教師について解説します。

 

結論を先に言うと

  • 子ども自身が自分自身の問題や考えを見つめられるように
  • 親や教師が子どもの状態や心情を温かく汲みとる

そんな関係です。

 

先の田島・石田(2019)の研究は

大学生が対象ではありますが重要な指摘をしています。

それを私なりにわかりやすくかみ砕くと

 

誰かのサポートをうけることで,その人が問題と向きあえるような力を引き出すことができる

自己評価や自分の考え方を変えたり深めたりするような他者からのサポートが有効である

 

これを促すのが心の強さであるレジリエンスであると述べています。

 

他にも

 

親や教師は子どもとの情緒の安定を導く調和的な関係性を保ち、発達段階や性別に応じた対応をする必要がある
清水美恵・相良順子(2019)中学生のレジリエンスと適応との関連モデルの検討-対人関係に注目して- Japanese Journal Applied psychology.vol.45,No2,105-114.

とも述べています。

 

実際,不登校でやる気や目標を失った子が

徐々に回復する時には

親や教師の温かい関係が必ずあります。

 

先生も親も

ムリに学校に行かせたりはしないし

苦労しながらもお子さんの状態を

よく見極めようとしています。

【不登校支援】不登校の学習支援

 

適応指導教室では

私たちもそのような関わりを

心がけています。

 

 

日常生活を規則正しくすること

他に不登校の子の心を強くするために必要なこととして

日常生活を規則正しくすること
川島一夫・征矢野達彦・小松茂美(2016)不登校児は,なぜ学校に行かれないのかⅢ-発達心理学の諸理論からの不登校についての考察-松本大学研究紀要,14, 85 – 94.

をあげています。

これはエビデンスにもとづく意見ではないものの

肌感覚として納得できるものです。

 

不登校・登校しぶりになると

少なからず生活習慣が乱れます。

学校に合せて生活リズムが作られているのですから

行かなくなれば乱れるのは自然です。

 

しかし生活が乱れる昼夜逆転のようになると

気持ちも落ち込んできます。

 

ですから生活の乱れは

最小限にしておきたいものです。

 

 

誰かの役に立っている感覚があること

 

誰かの役に立っている感覚があること
川島一夫・征矢野達彦・小松茂美(2016)不登校児は,なぜ学校に行かれないのかⅢ-発達心理学の諸理論からの不登校についての考察-松本大学研究紀要,14, 85 – 94.

もあげられています。

 

これは私が支援している経験から

あまり実感のない意見ではありましたが

そう言われてみればそうかな,と思えます。

 

適応指導教室で子どもたち同士が

繋がりを持ち始めるととても元気になるし

これまで見られないような様子も見られるようになります。

 

その中で助け合うこともありますので

矛盾はないのではないかと思います。

 

 

レジリエンスとは何か

実はレジリエンスについては色々な意見が出ていて

完全にはまとまらない考え方です。

というのも

心の強さとは何でできているのか

何を心の強さとするのか

イメージとしてはつかめるものの

そこには色々な見方があるからです。

 

<レジリエンスの例>

  • 困難な環境にもかかわらずうまく適応する過程・能力・結果(Masten,Best&Garmezy)
  • 心理的な傷つきや落ち込みから立ち直る回復力(平野)
  • ストレスフルな出来事を経験したり困難な状況にさらされても精神的健康や適応行動を維持する,あるいはネガティブな精神状態に陥ったり心理的外傷を受けたりしても回復する能力や心理的特性(石下・武藤;小塩ら)
  • 精神的快復力・弾力性(Ratter)

 

しかし

困難にあってもそれを跳ね返す心の強さ

とか

傷ついても立ち直る力

という点ではほぼ一致しているのではないでしょうか。

 

注意して欲しいのは

不登校にならない力ではない し 落ち込まない力でもない

ということです。

 

人生の中で人は色々な困難にあいます。

落ち込むことは自然だし

立ち直るまでに時間を要することもあります。

時にはふつうではない路にいくこともあるかもしれません。

 

それでも

自分を心底肯定し満足できる路に修正・回復できる

そんな力なのだと私は思います。

 

まとめ

不登校のお子さんの心を強くするためにできること

を解説してきました。

  • マインドフルネスにとりくむ
  • 身近な人のサポートを得ること
  • 日常生活を規則正しくすること
  • 誰かの役に立っている感覚があること

です。

 

どれも当たり前のようですが

逆にいうと,それらが不足しているのかもしれません。

また,これらは親御さんだけが気をつけるのではなく

先生を初めとする支援に当たる人

何より,お子さん自身にも気をつけてもらいたいことです。

 

不登校のお子さんの心を強くするために

お役に立てば幸いです。

 

 

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