こんにちは ツナカンです。
私はふだん
適応指導教室のカウンセラー(公認心理師)として
不登校のお子さんや
子育てに悩む保護者の方
学校の先生方
の相談にのっています
適応指導教室には
いろいろな事情でお子さんが通室します。
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安心できる場が欲しい
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学校に疲れたので休みたい
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学校には行きたくないけど勉強は遅れたくない
こんなお子さんの希望に応じて
できるだけそっとしておいてあげたい
当然,そう思います。
しかし,それをわかりつつも
あえて登校刺激をすることもあります。
そこで今回は
適応指導教室が,お子さんの意に反してでもあえて学校を勧める時
についてご紹介します。
この記事ではこんなことがわかります。
- 適応指導教室で登校を勧める理由・事情4つ
- 適応指導教室で登校を勧められたらどうしたらいいか
これを読んでいただければ
適応指導教室でお子さんの意に反して
登校刺激を受けた時,家庭との食いちがいを
減らすことができるでしょう。
適応指導教室で登校を勧める理由・事情4つ
原則として,適応指導教室で無理に学校を勧めることはありません。
しかし,学校を勧める必要性や
学校を勧めても大丈夫そうだと判断すれば
ご家庭や,お子さんの希望とは別に
登校刺激をすることがあります。
そのタイミングや理由は以下の通りです。
- お子さんが学校に意識を向け始めている時
- 中学校3年生である
- 高い目標を持っている時
- 福祉的な支援の必要性がある時
以下に説明していきます。
その①:お子さんが学校に意識を向け始めている時
一度,学校から遠のくと
わかっていても学校には戻りにくくなるものです。
適応指導教室で安心して過ごせるようになってくると
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学校に行った方がいいのかな…
そんな風に口にすることがあります。
一方で,ご家庭にはそんな話をしないこともあります。
そんな時,親御さんからは
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そんな話は聞いていない!
と思われることもあるかもしれません。
もちろん,職員もできるだけ連絡はするでしょうが
連絡のタイミングが遅れてしまったり
することもあります。
その②:中学3年生である
中学校3年生は義務教育最後の1年です。
インターネットの世界で身を立てようというのであれば
話は変わるのかもしれませんが
現実世界でなんとかやっていきたいと思うのであれば
勉強はもっとも収入につながりやすい武器です。
学力はいまだに収入の差や
選択肢の数につながるのです。
言い換えればリスクが最も少ない資産を
お子さんに持たせてあげられることになるのです。
中学校2年生までに遅れがあったとしても
最後の一年を本気で勉強すれば
ある程度のところまで盛り返す最後のチャンスです。
進学する高校によって
教育される水準や内容は変わります。
それを左右するのは学力と出席日数なのです。
適応指導教室では要録上のカウントはされても
出席日数は「0」のままです。
【朗報】適応指導教室の“出席扱い”についてお伝えします
ですから中学校3年生は最後のチャンスなのです。
こうしたことを踏まえて
学校に行くことを勧めることがあります。
その③:高い目標を持っている時
お子さんが目標を持つことは大変重要です。
しかし,進学校を狙っているとか
現状と希望の間に開きがあるときは
学校に行くことを勧めます。
具体的な進路指導や話し合い
それから,くり返しになりますが
出席日数などの成績評価は
学校に権限があるのです。
ですから,その時期に備えて早めに登校刺激をすることがあります。
その④:福祉的な支援が必要な時
お子さんは家族にとっても大切ですが,社会にとっても大切です。
お子さんの社会的自立を促すためには
社会に出るための練習をして
社会に通用する力を身に着けてもらう必要があります。
適応指導教室は多くの子どもたちにとって
居心地の良い場所であるようです。
【体験談】適応指導教室はどんなところか子どもたちに聞いてみた
しかし適応指導教室でできる社会的自立のためのトレーニングや支援は
学校でできることに比べるとはるかに少ないのです。
義務教育が終わってからも
フリースクール,あるいはご家庭で
不足したトレーニングができるのであれば
学校を勧めることはないでしょう。
一方で例えば,児童養護施設や貧困家庭など
福祉的ニーズが高いケースでは
お子さんの社会的自立が急がれるケースもあります。
こうしたことから,少しでも社会的不利を減らすために
迷いつつも登校刺激を行うことがあります。
適応指導教室で登校を勧められたらどうしたらいいか
適応指導教室から不意に登校刺激を受けると
保護者の方は驚かれます。
時には
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学校を無理やり勧められた
という不信感にもなります。
そこで,
適応指導教室で不意にお子さんが登校刺激を受けた時どうすればよいのか
お伝えします。
いずれにしても感情的に話すのではなく
冷静に話し合えることが大切です。
内容は以下の通りです。
- 養育方針や計画を伝える
- ニーズのすり合わせをする
- 登校刺激の意図を確認する
その①:養育方針や計画を伝える
こう書くと
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養育方針って何!?
少なくない親御さんが戸惑われます。
養育方針とは
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これから~しようと思います。
と,お子さんのためにどうしていくのか
を伝えることです。
こんな風に考えることは
もしかしたら親御さんの立場からすれば
戸惑われることかもしれません。
場合によっては
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子どもと話し合った結果,中学校にはいかないことにします
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来年くらいには学校に行けるように話し合います
そんな方針があっても良いのです。
これは専門家が一方的に考えるのではなく
親と子が主体的に考え,そこに職員の提案を参考にしつつ
一緒に考えていくことが
より効果的な方法だと考えています。
その②:ニーズのすり合わせを行う
ご家庭の方針を踏まえてすり合わせを行います。
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すり合わせ!?
身がまえなくても大丈夫です。
ご家庭が希望することをはっきりさせておき
その適応指導教室で
できること と できないこと を
お互いにわかるようにすれば良いということです。
適応指導教室はその自治体の考え方や状況によって対応も変わります。
また何かを選べば,何かを捨てねばならないように
適応指導教室の支援の専門性を高めるほど
何でもかんでもはできない
ということもありうるのです。
その③:登校刺激の意図を確認する
お子さんが通っている適応指導教室で
登校刺激を受けたのであれば
その理由を確認すると良いでしょう。
つい
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なんで学校に行くように言ったんですか!?
なんて聞き方をしたくなるものですが
関係をこじらせる原因にもなります。
職員も人間ですので,迫られるように質問されれば
ぎくしゃくしてしまうものです。
勢いあまって登校刺激を与えるということは
適応指導教室で行われることは稀だと思います。
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子どものどんなところから,登校刺激を与える判断をしたのですか?
と,刺激を与えるポイントになったことを聞くのも良いでしょう。
まとめ
以上,適応指導教室で,お子さんの意に反してでもあえて学校を勧める時
について解説しました。
働いている側からの
ちょっと弁解じみた記事になったかもしれませんが
お子さんが自分から「学校に行く」と決断することは稀です。
そんな中で,あえて登校刺激を与えるのは
職員としてもとても迷った末の判断であることがほとんどです。
こうしたことが適応指導教室に
期待していたこと希望とちがっていることもあるでしょう。
また適応指導教室の職員も方法をまちがえることもあるでしょう。
それでも適応指導教室の職員は
お子さんを応援したいと思う気持ちは変わらないはずです。
適応指導教室で働く者として
すれちがいを一緒に乗り越える関係性を
通室するお子さんと,その保護者の方と
作っていきたいと考えています。
質問・感想やご相談は以下のリンクまで
お気軽におよせ下さい。
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