【簡単解説】マインドフルネスはなぜ効果を持つのか【体験付き】

マインドフルネス

こんにちは ツナカンです。

公認心理師として

日々,マインドフルネスを心がけ

実際の支援に活かしています。

またマインドフルネス瞑想や

ちょっとしたマインドフルネスワークを日常の中に毎日取り入れています。

今回は

マインドフルネスはなぜ効果を持つのか

について紹介します。

 

この記事はこんな方にオススメです

マインドフルネスの効果が気になる
マインドフルネスに興味がある

またマインドフルネスを怪しいと思う方にも参考になるはずです。

 

 

 

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マインドフルネスはなぜ効果を持つのか

結論からいうと

“今この瞬間”を味わうことが心身に良い状態をもたらすから

です。

 


マインドフルネスはさまざまなことに応用されています。

 

心理療法の中の主な流派の1つである認知行動療法では

・弁証論的行動療法(DBT)
・マインドフルネス認知療法(MBCT)
・アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)
  ※ACTは本来はマインドフルネスというより言語の働きに注目したものです

などはマインドフルネスをとりいれた 認知行動療法の第三の流れ と言われています。

 

このように心理療法でも効果を持つとされているマインドフルネスですが

どのように心に働きかけているのか基本的な部分を解説していきます。

 

 

 

マインドフルネスの反対の状態マインドレス

マインドフルネスの効果を考えるには

その反対の状態について知る必要があります。

 

マインドフルネスの反対とは

マインドレス

 

な状態です。

 

“今この瞬間“に自分がいない状態

 

をさします。

 

マインドレスな状態は幸福感を下げるという指摘がされています。

次に具体的にマインドレスについて掘り下げます

 

 

日常場面にあるマインドレス

例えば,どこかに向かって出かけたとします。

ふと気づいたら目的地に着いていた経験などはないでしょうか。

その途中で何をしていたか細かく思い出せなかったり

車の運転であれば,いちいち,どのレバーを何回操作したかなど覚えていないはずです。

 

これは「今,この瞬間」にいない自動操縦状態と言えます。

先にマインドレスな状態は幸福感を下げるということをお伝えしましたが

あまり潔癖にならなくても良いです。

この例のようにマインドレスとは日常にあることだからです。

 

次にマインドレスな状態が悪さをする状況を説明します。

 

 

まずいマインドレス

マインドレスは言語を介して起こると考えられています。

それを確かめるために試していただきたいエクササイズがあります。

 

 

エクササイズ(以下の文を読んで下さい)

 

レモンという果物をご存じでしょうか

 

全体的に黄色がかっていて部分的に緑の部分もあります。

 

表面はつやつやした感じがあります

 

それを包丁で2つに切ってみます

 

すると中から果汁がわずかに吹き出してきます

 

断面からは果汁がしたたっています

 

断面に指先でふれて、したたる果汁を指先につけてみます

 

そしてそれをそっと口の中にふくんでみます…

 

 

今,口の中はどのようになっていますか?

レモンを知っている方なら口の中に唾液があふれるはずです。

 

実際には目の前にないレモンについて

文章を読んだだけなのに体は反応しています。

 

レモンに反応している間

周囲のことなんてどこかに行ってしまったのではないでしょうか?

 

こんな風に,言語は”今この瞬間“から別の世界に飛ばしてしまう力を持っているのです。

そして,言語は目の前にないものをさもあるかのように体に錯覚させてしまうのです。

 

しかし,これが悪いわけではありません。

悪いのはあるかどうかもわからないことに体が反応してしまうことです。

 

まず誰かに怒られた経験があるとします。

 

ある日,大切な人と一緒にいるとき

何かの拍子に

怒られたときに言われたのと同じセリフが頭に浮かんだとします。

 

すると心は怒られたときのことを思い出して

心を奪われてしまいます。

そうなれば,おのずと目の前にいる大切な人のことなど

ぼんやりしてしまうでしょう。

これが悪いマインドレスの状態なのです。

 

 

 

マインドフルネスとは

ここでマインドフルネスの定義について改めてふり返ります。

①今この瞬間に ②価値判断せず ③意図的に注意を向けること

 

先ほどのマインドレスとは反対の状態であることがわかります。

マインドフルネスとは

言葉によって”今この瞬間“から離れそうになったときの対処方なのです。

 

マインドレスからマインドフルに戻る具体的な方法

「マインドフルネス=瞑想」

と,つい考えがちですが

マインドレスとは日常にある状態ですし

マインドレスになったからといって瞑想を始めるというのは

現実的ではありません。

 

そんな時はもっとシンプルに

匂いをかぐ

周囲の音に耳を澄ます

触れているものをできるだけ丁寧に触れる

見えているものをていねいに見る

 

こんな風に,ていねいに五感を使うだけで現実感は戻ります。

またそれ自体がマインドフルネスです。

 

瞑想はあくまでもトレーニングですので落ちついた環境でじっくりやるのが良いでしょう。

また瞑想によって積み上げてきた感覚が

マインドレスな状態への気づきをもたらしてくれます。

 

 

まとめ

マインドフルネスがどうして効果を持つのかについて

基本的な原理について解説しました。

 

体験と知的な理解は自転車の両輪のようなものです。

基本的な原理を理解するだけでもマインドフルネスの実践は深まります。

 

またマインドフルネスに懐疑的な方でも

原理がわかれば少しは抵抗感が下がるでしょう。

 

もちろん,批判は必要なことだと思うのでそうした視点も大切です。

既にマインドフルネスにとりくんでいる人にも

そうでない人にも何らかのお役にたてば嬉しいです。

 

 

参考)熊野宏昭(2012)マインドフルネスはなぜ効果を持つのか.心身医,vol.52No.11

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