こんにちは ツナカンです。
私はふだん公認心理師として仕事をしています。
またマインドフルネスを支援や実生活に活かしています。
マインドフルネスのイメージは
ちょっと怪しいイメージがあります。
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2020/10/businesswoman3_question-e1602985961536.png)
マインドフルネスって何?
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2020/10/man_question-e1602923937927.png)
マインドフルネスってどんな役に立つの?
そんな風に思われることもあります。
そこで今回は マインドフルネスでいることのメリット
についてお伝えします。
2.マインドフルネスとは
3.マインドフルネス瞑想の注意点
4.マインドフルネス瞑想に関する注意点への対処法
私は日本マインドフルネス学会に入っているのですが
今年はネットで研修会を受けています。
その研修会の中でマインドフルネスについて
たくさんの役立つ情報を得ることができました。
日本マインドフルネス学会では
マインドフルネスをデータに基づいて
科学的に研究している学会ですので
そこで得られる情報はかなり信頼性の高いものです。
今回はそれをもとにお伝えしていきます。
マインドフルネスであることの価値
マインドフルネスの価値について
いくら言葉で説明しても伝えきることはできないでしょう。
そこで,今回は体験していただきます。
体験といっても短い動画を見てもらうだけです。
体験していただくにあたってルールがあります。
ちょっと面倒かもしれませんが
楽しんでもらうためにもちょっとだけのお願いです。
このルールを守ってもらえばきっと面白いことに気づけるはずです。
この動画では女性たちがバスケットボールのパスをします。
それを二回見てもらいます。
一度目はこんな風に見てください。
- 開始10秒~40秒まで見る
- また「何回パスされたか」を数える
ちなみに開始0秒から見てもらっても問題ありません。
ただし,40秒以降を見てしまうとネタバレしますので
ご注意ください。
では以下の動画をご覧ください。
次こんな風に見てください。
- 最初から最後まで見てOK
- 女性たちのパスの間「何が起きているのか!?」を見る
英語の字幕や音声がありますが
わからなくても問題ありません。
では,再び以下の動画をご覧ください。
きっとルールを守って見てもらったと思います。
それではネタバレします。
最初のパスの数は16回でした。
パスの数を数えているときに3つの変化が起きていました。
それに気づくことができたでしょうか。
- ゴリラが横切る
- 黒いチームの女性が一人減る
- カーテンの色が変わっている
このものの見方がマインドフルネスなのです。
このように,マインドフルに物事を見ると
今まで気づけなかったことに気づけるようになるのです。
もしかしたら人間が野生だったころには
こんな風に視野を広げていたかもしれません。
またスポーツなどでも応用できるはずです。
マインドフルネスにはいろいろな応用があります。
良ければ以下のリンクもご覧ください。
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは
今この瞬間に価値判断を持たずに意図的に注意を向けること
です。
ヴィパッサナー瞑想の英訳でもあるとされ
アウェアネス(気づき)
や
アテンション(注意)
と呼ばれることもあります。
また,マインドフルネスを治療法として確立した
マインドフルネスストレス低減療法(MBSR)の創始者である
Kabat-Zinnは
判断せずに注意を向けること
としています。
こう書くと
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2021/03/-2-e1615446971688.jpg)
心を無にすればいいんでしょ
と思われがちですが,そうではありません。
結果的に,そのような感じがする瞬間があるということです。
また,マインドフルネスを始めて間もない人からは
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2020/10/pose_atama_kakaeru_man-e1602998133101.png)
“あるがまま”がわかりません
と言われることが少なくありません。
マインドフルネスとは頭で考えるだけでできるものではなく
体験することが大切です。
よくわからないけどやってみる
そうしているうちに
少しずつ体で理解できるようになってくるものです。
もっと深めてみたいと思ったら以下のリンクが参考になります。
マインドフルネスの効果
マインドフルネスはほとんどの人で大きな問題はありません。
マインドフルネスによって
- 感情調整能力が向上
- 衝動的反応が減り,とどまる力が向上
- ストレス耐性の向上
- 自己信頼感の向上
などが見られています。
またKhouryら(2013)による
209件のメタ分析(マインドフルネスに関する研究をまとめで分析する)の結果
マインドフルネスは薬物療法と認知行動療法との効果の差がなかった
というデータもあります。
つまり,薬や認知行動療法と同程度の効果があるということです。
私も瞑想をはじめマインドフルネスワークを
毎日するようになって5~6年になりますが
日常の中で,ふと悪い考えに引き込まれそうになった時に
気づいて距離を置けるようになったり
悪い考えが加速していくのにブレーキがかけられることがあります。
最近では家族も毎日一緒にやるようになりました。
また,私が支援する不登校の子どもたちにも
行事などでマインドフルネス体験をしてもらっています。
行事だとそれっきりになってしまい継続性がないので
効果ははっきりしませんが
知っているのといないのとでは
将来は変わってくるのではないかと思います。
【坐禅に興味ある方必見】お寺の坐禅体験レポート
マインドフルネス(瞑想)をする際に注意すべき点2つ
ここまで読んでくださった方の中には
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2021/02/怪しむ女性.jpg)
そんなに効果的なら危険なことだってあるんじゃないの!?
そんな風に思う方がいるでしょう。
どんなことだって
良いことばかりでないと思うのは当然です。
もちろん,マインドフルネスも良いことばかりではありません。
以下にマインドフルネスの注意点について解説します。
その①:各種の心疾患がある時の瞑想は慎重に
実際,マインドフルネス学会でも
以下のような状態の方にはマインドフルネス瞑想の実施
リスクが高いため慎重になるよう警告されています。
- 物質依存
- 自殺リスク高い
- 精神病
- PTSD
- 重度のうつ
- 対人不安
- 最近,死別や離婚を経験した
- 個人的危機を感じたリスクが高い
いずれも気分がかなり低下している状態です。
このような時に瞑想にふけってしまうと
現実感がなくなってきてしまうのかもしれません。
その②:痛みに注意を向けないこと
脳研究から,痛みに注意を向けることで
痛みがより強くなってしまうことがわかってきているようです。
マインドフルネス瞑想では基本的に
呼吸に意識を向け続けて
それ以外の感覚は距離をとって観察するものです。
きちんとした指導者に教わっていれば
痛みに注意を向けるようなことは起きにくいと思います。
あくまでもありのままを受け入れるのであって
痛みに対してマゾヒスティックに向き合うのとはちがいます。
私もベーチェット病からくる体の痛みを毎日感じています。
痛みに気持ちを割いてしまうと
どうやって痛みを消そうか
ということにとらわれてしまいがちですが
痛みは痛みとして受け止めて,必要なことをする
それができるのは毎日瞑想をしているからだと思います。
マインドフルネス瞑想に関する問題への対処法
マインドフルネスに,せっかく興味がわいても
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2020/10/pose_atama_kakaeru_man-e1602998133101.png)
そんな問題があるなんてやっぱり怖い。
どうすればいいの?
そんな風に思う人もいるのではないでしょうか。
大丈夫です,そんな心配にお応えできます。
日本マインドフルネス学会では以下のように提案しています。
- 過度にやりすぎない
- 適切な睡眠と栄養をとる
- 体の状態に合わせて無理のない姿勢で行う
- 精神疾患を持つ人は主治医の了承のもと行う
- 経験を重ねた指導者のもとで行う
やはり無理をしないということが大切ですね。
私もその日の体調によって
いくつかのマインドフルネスワークを使い分けています。
まとめ
ここまでマインドフルネス瞑想が役に立つ
ことについて解説しました。
マインドフルネスであることはものの見方が変わるということ
それは人生全体の視界が開けるということでもあります。
まずは無理のない範囲で少しずつでも
やってみることをお勧めします。
引用
・Mindfulness-based therapy: a comprehensive meta-analysis Bassam Khoury 1, Tania Lecomte, Guillaume Fortin, Marjolaine Masse, Phillip Therien, Vanessa Bouchard, Marie-Andrée Chapleau, Karine Paquin, Stefan G Hofmann
参考
・令和2年度 3月日本マインドフルネス学会研修会「マインドフルネスの基礎」越川房子(早稲田大学)
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