【不登校になりたいあなたへ】不登校になるとこうなる

不登校支援

こんにちは

公認心理師のツナカンです。

ふだんは,教育支援センター・適応指導教室で

カウンセラーとして

お子さんや,親御さん,先生方の応援をしています。

 

学校に行っていても

楽しいことばかりではありません。

学校つまらないから行きたくない

不登校になりたい!

学校に行かないですむ方法ないかな

そう思うことは多くの子にあるでしょう。

 

そんな気持ちのお子さんに向けて

1. 不登校になりたいと言ったら大人はどうするか
2. 不登校の学校行事の参加とテストについて
3. 不登校の子の進路
4. 不登校になるべき時

をお伝えします。

 

これまでに何人かの不登校のお子さんと

その親御さん,担任の先生と

関わってきた経験から

不登校になりたいお子さんの

こうした疑問に答えることができます。

 

本当に不登校になるのが良いのか

それとも何とか行き続ける方がいいのか

考える材料になるはずです。

 

 

 

Sponsored links

【不登校になりたいあなたへ】不登校になるとこうなる

私は今の職場で,不登校のお子さんと関わっていますが

その前にも不登校のお子さんの生活を

近くで見る機会がありました。

 

しかし,多くの人にとっては

不登校になったことがなければ

不登校の生活がどうなっているのかわかりません。

だからYouTubeの動画でも不登校の子の生活は

けっこうな視聴者数を集めているようです。

 

でも,それでも生活の一部でしかありません。

今不登校になりたいあなたに

不登校になったらどうなるか お伝えしていきます。

文体はやさしく書いていますが

保護者の方にも必要と思われる情報を

お伝えしていますので

お子さんと一緒に読んでもらえればうれしいです。

 

 

 

不登校になりたいと言ったら大人はどうするか

もし

明日から不登校になる

と言ったら周囲の大人はどうするのか

 

決まり切ったパターンはありませんが

わりと似たような行動にうつりがちです。

 

気になりやすいいくつかのポイントを

解説していきます。

 

 

その①:親は“迷惑”というよりも心配する

 

迷惑」とは“何か嫌なことをされたときの気持ち”です。

心配」は自分の将来に対する否定的な気持ちです。

 

多くの親御さんは

不登校になんかなって迷惑だ

なんて考えていないようです。

自分のことのように悩み考えます。

 

 

悩みを表に出してくれてよかった

という親もいます。

 

逆に

学校に行かないなんて甘えだ

と考える親御さんもいます。

 

子どもが相談できる親御さんならば

きっと迷惑ではなく心配するでしょう。

 

その②:親への迷惑

無理にでも「迷惑」という言葉を使うなら

学校に行かない間の食事の準備や家事でしょう。

学校に行っていれば給食が出て

食事の準備はせずにすみます。

ですから,不登校になると決めたなら

料理は自分で覚えて,家事を積極的にやるようにすれば

親の負担は減るでしょう。

 

 

その③:先生の気持ち

先生も心配します。

不登校は今の時代では

1クラスに一人くらいいるのはふつうです。

 

 

 

それでも,

自分の力不足でクラスをまとめられなかった

不登校の子の学びの機会を減らしてしまった

そんな風に自分を責める先生もいます。

 

不登校になって長い子でさえも

自分にもっと力があればクラスに入れたかもしれないのに…

とまで思う熱心な先生もいるのです。

 

 

その④:生徒が不登校になったら先生がやること

先生は親御さんと連絡を取り合って

あなたの気持ちを確かめようとします。

 

また手紙や家庭訪問もするでしょう。

クラスメイトに,あなたに声をかけてみるように

伝えることもあるでしょう。

 

あなたが住んでいる地域に

適応指導かフリースクールがあれば

そこに通うことを勧めることもあるかもしれません。

適応指導教室がどんなところかはここに書いてあります。

【体験談】適応指導教室はどんなところか子どもたちに聞いてみた

適応指導教室に通うことの5つのメリットと4つのデメリット

 

また,こうしたことをしたり,提案したりするまでに

先生同士で話し合いをくり返しています。

 

 

その⑤:学校がすること

あなたが不登校になったら

何人かの先生がチームを組んで

あなたが学校に戻れるように

話し合ったり,応援したりします。

あなたが少しずつ学校に来られるようになってからも

先生たちはチームで動きます。

 

 

 

不登校の学校行事の参加とテストについて

では,実際に不登校になったとき

学校行事やテストはどうなるのでしょうか。

 

 

① 学校行事

学校の行事にもいろいろありますが

不登校になると気がかりなのが

遠足や,修学旅行です。

 

遠足はともかく,修学旅行は

親が学校にお金を積み立てています。

もし修学旅行に参加しない場合は

払い込んだお金は一部だけ返ってきます。

ですから行かなければ,お金は損します。

ただし,思い出作りという意味で

修学旅行は二度と経験することはできません。

例え不登校になっていても

修学旅行に参加する子は少なくありません。

 

 

② テスト

テストも受けられなければ

強制されることはありません。

ただし,受験しないことは

成績には明らかに悪影響です。

 

高校からは普通に学校に行きたい

そんな風に考えているなら

別室登校するなり

保健室登校するなり

あるいは,適応指導教室に通って

適応指導教室で受験するなどして

結果が成績に反映されるようにしましょう。

 

また,学校によっては

教室で受けなければ成績として認めない

という可能性もあるので

そこは親御さんと学校で相談してもらう必要があります。

 

 

 

不登校の子の進路

不登校になっても

ほとんどの子は高校に行けています。

 

ただし,通信制や定時制高校などや

大学進学までを見すえたような

進学校でない場合が多い印象です。

 

それは,不登校の子たちに学力がないのではなく

学校に行かないことで,学習が遅れる生活になりやすい

ということだと私は考えています。

 

学校に行かない生活は

ほとんどの子がのんびりしてしまいます。

 

これじゃいけない…

と思いつつも,

のんびりできる環境がある以上,甘えてしまいます。

意思だけで勉強し続けることは無理です。

これは断言します。

 

実際,適応指導教室に通っていた子は

全日制高校(いわゆる普通の高校)に行ったのは

約30%程度だったというデータもあります。

それ以外では

通信制高校・専門学校・定時制高校など

が一番多い数を占めています。

 

これらを前向きな理由で選ぶのであれば

意味があるでしょうが

適応指導教室の生活リズムから抜け出せなくなって

そのままの流れで選ぶことになったのだとすれば

選べる選択肢が減ったことになります。

 

 

ですから,

学校に行きたくないけど勉強は遅れたくない

と思うのであれば

学校以外の場所で「勉強をさせられる」ところに

身を置くべきです。

 

そのためにはお金や手間がかかりますから

よく親御さんと相談するようにしましょう。

 

もちろん高校・大学進学よりも

もっと大切なことが見つかれば

そちらに自分の人生を振り向けていくことも

あって良いと思います。

いずれにしても,親御さんとはよく相談しましょう。

 

 

 

 

不登校になるべき時

ここまで読んでもらえれば

不登校は,実は楽なだけではなくて

学校に行かなければ行かないで

かなり悩むということがわかるのではないでしょうか。

悩みから逃げるために不登校になるのは

長い目で見れば得することは少なさそうです。

 

しかし いじめ だけは別です。

いじめがある時は,学校に行ってはいけません。

 

 

その①:いじめ とは

クラスに意地悪な子がいるから行きたくないんだ。

これはいじめじゃないの!?

という子もいるでしょう。

 

では,いじめについて文部科学省というところで

こんな風に考えています。

 

もっと簡単に言うと

心と身体を傷つけるようなことを

直接・間接(ネットを含む)的にすること

いじめかどうかは,やられた側の感じ方を大切にする

ということです。

 

 

その②:いじめが起きたら学校はどうするのか

いじめられたと感じた人が

保護者に相談し,保護者から学校や教育委員会に相談したら

どうなるのか。

同じく文部科学省ではこう書いています。

 

きっと意味がわかりませんよね。

 

つまりこういうことです。

  • 何があったのか,どの程度だったのか調べて報告する
  • いじめられた子・保護者に対して支援する
  • いじめていた子に対する注意や処分,保護者には対処法などのアドバイス

等をすることが決まっています。

 

また,いじめが明らかにひどい場合には

いじめた子たちを学校に来ることを禁止することもあります。

 

ただし実際には,そこまで行くことはめったにないでしょう。

ですから,家庭が学校や教育委員会に訴えても

すぐに,いじめだと決まるわけではありません。

 

 

その③:人間関係がきっかけで不登校になった子の話

ここでは人間関係がきっかけで不登校になった子の話をします。

この話は,私が子どもたちから聞いた話を

ミックスして作っているので,全てが事実ではありません。


学校にはもともと行きたくなかった。面倒くさいから。中1の時にクラスの雰囲気が悪くてなじめなかった。前の日から学校のことを考えると落ち込んで朝になると体が重くて行く気がしなくなった。 

そんな時に,クラスのボスの子と,その友だちから

からかわれて,悲しくなって,次の時間,保健室に行った。

体調も悪くなったから早退して,次の日から学校に行けなくなった。

しばらくは親にも相談できないで一人で悩んでた。

 

最初のうちは,親がなんで学校に行かないのか聞いてきたけど

私が言わないでいたら

『言えるようになったらいつでも相談に乗るから。』

って放っておいてくれた。

それから少しして相談したら,親が学校に話してくれた。

 

でも,その子たちはちょっと注意されたみたいだけど

学校には普通に通ってる。

私はそのまま学校に行きにくくなった。

あいつらのせいで学校に行けなくなったのに

あいつらは普通に学校行けてる。

それが悔しい。

 

この話を聞いて

いじめた方が普通に過ごしてるっておかしくない!?

そう思うでしょう。

 

私は不登校にこそなりませんでしたが

似たような経験はあります。

なんであんな奴らが元気そうにやってるんだ…あいつらいなくなればいい!

と思いながら過ごしていました。

 

こんな風に,実際には,いじめ問題はとても難しいのです。

 

ただ,あなたが

学校は危険な場所だ

と思うのであれば

学校には行くべきではありません。

 

 

 

まとめ

今回は,不登校になりたい子に向けて

不登校になったらどうなるか

それから

学校に行くべきでない時

についてご紹介しました。

 

私も学校でたくさん傷つく経験をしたし

振り返ってみても

「そんな経験も宝物です」

なんて綺麗ごとで済むような話ばかりではありません。

 

学校は楽しければそれに越したことはないのですが

そうでないことも少なからずあります。

そんな時のやり過ごし方や

学校との向き合い方についても

過去に記事にしています。

よければ,それも見てもらえればうれしいです。
不幸なあなたが今すぐできること
不登校は甘えではありません
【学校嫌い】学校は好きにならなくていい,行きたくない時の対処法
【不登校の前に】保健室登校の5つのメリットと3つのデメリット
【どこでもできる】注意訓練法のやり方
【不登校支援】なぜ不登校の子どもたちにマインドフルネスをすすめるのか

 

質問や相談等があれば,以下のリンクからどうぞ。
お問い合わせ

 

引用文献

令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

Comments

タイトルとURLをコピーしました