【先生向け】不登校・登校しぶりになった子にどう対応したら良いか

不登校支援

こんにちは ツナカン です。

公認心理師として

不登校のお子さんや

子育てに悩む親御さん

学校の先生方の応援をしています。

 

学校で不登校の生徒が出た時

先生の中には

甘えてるんじゃないか?
子ども(赤ちゃん)返りではないか?
ムリにでも教室にいれてしまえば元に戻れるだろう

などと考える方もいます。

 

一方,生徒さんの方では

 

教室に入れない理由はあるけど言いたくない(言えない)
教室に入れない理由が自分でもわからない

 

そんな風に苦しんでいることが案外多いのです。

 

教師と生徒との間で通じ合えないのですから

教師としては何とかしようと働きかけます。

しかし不幸にもどうして良いのかわからず

ほぼ放置状態というケースもあります。

 

 

今回は,そんな先生方に

【先生向け】不登校・登校しぶりになった子にどう対応したら良いか

について私なりの考えをお示しします。

 

 

結論から言うと

教師の枠をときどき外しつつ組織的に対応する

です。

 

本文ではこれを深掘りして解説していきます。

 

 

この記事はこんな方にオススメです

子どもが不登校になってしまった!
どうしたらいい?

 

これを読んでいただければ

先生方の不登校・登校しぶりの児童・生徒への対応の選択肢が増えます。

また,親御さんにとっても先生と連携をとりやすくします。

 

 

 

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不登校・登校しぶりにどう対応したらいいのか

不登校・登校しぶりのお子さんに対応するポイントは以下の通りです

  • むりやり教室に入れない
  • 放置しない
  • チャム的関係
  • 正解はコンセンサス
  • 外部機関を使う

これからこれらを解説します。

 

 

むりやり教室に入れない

まず,むりやり教室に入れたりすることは得策ではない

ということをお伝えしておきます。

 

小学生くらいのお子さんだと大人が力ずくで

働きかければ入れてしまうことがあります。

しかし,それは支援というよりです。

 

「早い段階で教室に戻せれば長引かない」

 

と考えて教室に引っぱり込むようなケースがあります。

確かにその後,教室にいられることもあります。

この様子を見て

「早い段階で教室にむりやり入れるのが良い」

という考え方を強めてしまうのでしょう。

 

では,なぜむりやりにでも入れれば適応しているように見えるのでしょうか

それは,心を切り売りしているからです。

これを専門用語で言うと

解離(かいり)

と呼びます。

 

動物はストレスを感じると

戦うか,逃げるか,のどちらかパターンをとります。

それが通用しないときには

この解離を使うのです。

 

具体的には固まってしまったり,心を切り売りして過剰適応したりします。

 

言いかえるなら

トラウマ体験

なのです。

 

支援するつもりでやっていた関わりが

トラウマを与えることにつながりかねないのです。

ただでさえ教室には入れない不安に加えて

大人のプレッシャーを加えることは

二重のトラウマになりかねないのです。

 

この二重のトラウマは大変たちが悪く

大人への不信感を強めたり

自尊心を著しく低下させるなど

予後も悪くなります。

 

ですから,本当に子どもの成長を支援したいのであれば

むりやり教室に入れるのは得策ではないのです。

 

 

 

放置しない

「押してダメなら引いてみろ」

とよく言いますが

色々やってだめなら,距離をとるのが定石です。

 

これは正解なのですが

手詰まりになって

「引いてもダメならあきらめろ」

になってしまうことです。

 

正解は

押しても引いてもダメなら,つながってろ

です。

 

学校に行かない,行けないとしても

子どもたちは心の底から孤独になりたいわけではありません。

ほとんどの子が繋がりは求めています。

ですからすぐに学校に行かなかったとしても

その子なりの程度を尊重しつつ

つながり続けて欲しいのです。

 

きっと先生方の本音の中には

手がかかるな・・・
面倒だな・・・

そんな風に思うかもしれないし,それ自体は悪いことではないのですが

その子と,教師という肩書きをとっぱらった関係にいたれれば

より深みを感じられるような関係性になれるはずです。

 

 

 

チャム的関係

チャムとはアメリカの精神科医サリバンが唱えた概念で

年が近く自分と似ている存在

のことです。

 

当然,教師は完全なチャムにはなれません。

吉井(2017)は

教師やカウンセラーは年齢的に異なるのでチャムとは言えないが,チャム的に関わることは可能であり,『似ていること』を元に交流することが重要である。教師やカウンセラーが自分と似ていることを自己開示するという方法も効果的である。

吉井健治(2017)不登校と関わる12の技,鳴門教育大学研究紀要.file:///C:/Users/chfmm/Downloads/KK32005.pdf

と述べています。

 

言いかえると 先生が子どもの目線の高さに合わせる ということです。

 

不登校・登校しぶりのお子さんの心に

先生の励ましが届くのは

この段階に入ってからになります。

 

 

対応の正解は共通認識(コンセンサス)と校訓

不登校・登校しぶりへのお子さんの対応の導き出し方は

共通認識(コンセンサス)

です。

 

そして

共通認識(コンセンサス)のポイントは

  • 校訓
  • 校内の関係職員・保護者・子ども本人

 

担任しているクラスから不登校の生徒が出るのは

先生にとっての心理的負担は大きいと思います。

その子にとっての正解とは何なのか

自分の対応は正しいのか

懸命に考えると思います。

しかし先生の熱意と知識をフル動員して

一生けんめい考えて出したのに

答えはなかなか当たりません・・・

そんな時に何が足りないのかと言えば

最初に 学校の関係職員の共通認識 です

 

しかし,学校組織は管理職の意向・判断が強く反映されます。

残念なことに学校の方向性が誤ってしまうこともあります。

 

それが正しいかどうかを確かめるには

その学校でもっとも長く守られてきているはずの

校訓に照らし合わせれば良いのです。

 

その上で

保護者,何より子ども本人

と共通認識を作れれば

正しいかどうかではなく

納得に基づく対応 をしていけるのです。

 

 

外部機関を使う

私は教育支援センター(適応指導教室)の職員として

このような難しい対応の支援のために

学校に入ることがあります。

 

登校しぶり,不登校のお子さんに対して学校で行うことは

まずは先生方へのコンサルティングです。

学校が十分に機能している場合

コンサルティングで先生方の働きを交通整理くらいで

改善されてしまうケースもあります。

 

必要に応じてお子さんやご家庭にお願いするのは

  • 心理アセスメント
  • 場面観察
  • 個別面接

です。

 

学校の方針や方法をさらに掘り下げる

ドットを細かくするようなイメージです。

 

こうすることで気づけなかったミスや

気づけなかった良い対応に

先生方が自然に気づけることもあります。

 

ここで教育支援センターのような

外部機関を使う時のコツをお知らせしておきます。

  • 学校の方針と経過を報告
  • 何をしてほしいのかをできるだけ明確化
  • 窓口を決めておく

こうすることで連携がスムーズでスピーディーになります。

また負担を減らすこともできます。

 

 

不登校・登校しぶりの責任は誰にあるのか

保護者からすれば自分の子が登校しぶり・不登校になったら

まずは担任のクラス経営に疑問を持つでしょう。

さらには管理職の管理体制も矛先が向くでしょう。

 

しかし,よほどはっきりした原因がなければ

不登校の原因は複雑で子ども自身もわからないのです。

 

もはや不登校がクラスから出るのは仕方のないことなのかもしれません。

ですので,クラス運営でベストを尽くしたら

すばやく組織的対応に切りかえるのが定石です。


文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方」

 

 

原因探しよりやれること探し

原因探しよりもやれることを探すこと

を私は優先すべきだと考えています。

 

それは単純に

過去には戻れないが未来は変えられる

からです。

子どもたちにもそう伝えますが

大人である先生だって同じはずです。

 

 

まとめ

登校しぶり・不登校のお子さんが出たとき

学校の先生方に対応策を提案してきました。

ポイントは

  • むりやり教室に入れない
  • 放置しない
  • チャム的関係
  • 正解はコンセンサス
  • 外部機関を使う

でした。

 

教師としては組織的に対応 を行い
人としてはチャム的に対応 をする

 

それは楽ではないかも知れませんが

実際に不登校・登校しぶりのお子さんと

気持ちを通わせ復帰に導いた先生方を見てきました。

先生と少しずつ心を通わられるようになり

学校に居場所を感じられるようになった子どもたちを見ると

手伝えて良かった,と思います。

 

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