【危険!】「不登校=甘え」のデメリット4つ

不登校支援

こんにちは ツナカン です。

 

公認心理師として

 

不登校のお子さんや

 

子育てに悩む親ごさん

 

学校の先生方

 

の応援をしています。

 

不登校というと、しばしば周りの人たちが「甘え」と評価します。

 

これについて、私の考えは

 

不登校を「甘え」とみなすと良いことがない

 

です。

 

なぜそう思うのかについて

 

これまでの経験をふまえてお伝えしたいと思います。

 

この記事はこんな方にオススメです

 

子どもが不登校になってしまった

身の回りに不登校の子がいる

 

 

クラスメートに不登校の子がいる

 

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不登校を「甘え」と見ても良いことがない

 

不登校を「甘え」と解釈すると以下のようなことが起きます

  1. 怒りがわく
  2. 不登校の子が生きづらくなる
  3. 不登校の子と関係が作りにくくなる
  4. 不登校からの回復が遅れる

 

です。

 

その理由について以下に説明していきます。

 

 

怒りがわく

子どもが不登校になると

 

親をはじめとする大人としては

 

子どもの将来が心配になります。

 

クラスメートからすれば

 

 

自分たちはこんなに頑張ってるのに逃げてる

 

という感情が見えかくれするようになります。

 

周囲がそんな気持ちになるのは自然なことだと思います。

 

だから一生懸命はげましたり

 

むりやり学校に行せようとしたりします。

 

一方で不登校の子からすれば

 

そうした対応は苦しいものになります。

 

すると周囲は

 

 

こんなにやってやってるのに!

 

という気持ちがかきたてられて怒りになっていきます。

 

それでも不登校の子からすれば

 

相変わらず応援された気になっていないので

 

さらに引きこもることになります。

 

つまり、応援する側と

 

応援される側でズレがおきているのです。

 

 

 

不登校の子が生きづらくなる

「不登校」という単語で明るいイメージを抱く人はまずいないでしょう。

 

一度,不登校になると周囲からのレッテルは良くも悪くもつきまといます。

 

再び登校できるようになったとしても

 

不登校だった子

 

ということになるし

 

行けるようにならなければ

 

深刻な不登校の子

 

といった具合です。

 

それだけ,今でも日本における学校の存在は大きいものです。

 

実際,行政でも不登校についての調査はしており

 

学校に戻れてからもしばらく経過をみています。

 

不登校になった子どもたちも,このような視線は感じています。

 

強がったり,気にしないようにしたりしていたとしても

 

一度でもこうした視線を意識すれば,そこから逃れることはできません。

 

ふとしたときに

 

自分が不登校だったこと

 

どんな風に見られているんだろう

 

そんな風に頭をよぎるのです。

 

これは学校にかよっている時だけの問題ではありません。

 

高校に行ってからも

 

自分が不登校だったこと

 

友だちに伝えてないんだ。

という子もいます。

 

それだけ「不登校」というレッテルは

 

その子にとってずっとつきまとうのです。

 

ですから一見平気そうに見えても

 

いつ苦しみがやってくるかわからない

 

あるいは

 

その苦しみにおそわれて何かに依存していることもあるのです。

 

 

 

不登校の子と関係が作りにくくなる

不登校になる理由はさまざまです。

 

どうして不登校になったのかをたずねても

「わからない」
「わすれた」
「なんとなく」
「つまらないから」

 

と答えられることもしばしばです。

 

こうした言い分を聞くと「甘え」といいたくなると思います。

 

しかし,よく話を聞いていくと

 

きっかけが複雑すぎて説明できなくなっていたり

 

本当は理由について説明したくなかったり

 

本当に忘れてしまっていたりするのです

 

ですから

 

不登校のお子さんと関係を作るためには

 

原因探しは二の次で良いのです。

 

それよりも

 

不登校のお子さんと良い関係・良い時間を作る方が

 

解決の糸口は見つけやすいと思います。

 

さらに関係が作りにくくなると

 

はげましも通じにくくなりますし

 

提案をしてもやってみようと思ってもらえなくなります。

 

こうしたことから、学校に再登校することが

 

むずかしくなってきてしまいます。

 

甘えとは

不登校の子どもたちに向けられる「甘え」とは

 

言いかえると

「わがまま」
「逃げ」

 

そんな意味がこめられているのでしょう。

 

これはつまり学校という集団のルールに従わないことに対する

 

批判や不満の表れでしょう。

 

日本における精神分析(心理学の主流派の1つ)の大家である

 

土井健郎氏は甘えを

 

「人間本来の分離の事実を否定し,分離の痛みを止揚すること」

 

と定義し,日本人独自の感覚であることを指摘しています。

 

不登校のお子さんたちの声や,状況を察するに


「学校に行きたいけど行けないんだ」

 

こんな風に、本当は

 

学校の友だちや先生と一緒になりたい

 

一体感を味わいたい…

 

つまり、むしろ甘えたい相手は学校にあるのに

 

それがかなわなかった結果として

 

不登校になったのだ思います。

 

ですから、

 

甘えているのではなく

 

むしろ

 

甘えられないでいる

 

のだと、わたしは考えています。

 

不登校は誰でもなりうる

2018年に日本財団が中学生6500人を対象に実施した調査によると

 

不登校傾向にある子どもは文部科学省が調査した数の3倍に上ると推計しました。

出典元:日本財団「不登校傾向にある子どもの実体調査」(2018)

 

調査の内容を見ると1位は「疲れる」で

 

具体的な理由が説明されていません。

 

こうしたことから,

 

ある日突然「疲れる」といって

 

学校を休み始める子がいても不思議ではないのです。

 

今、不登校の子を責めている子が

 

後になって不登校になることがあっても

 

不思議ではないのです。

 

 

何が大切か

ここまで読んでいただければ

 

不登校になった原因を追及しても

 

答えは得られないということは

 

ご理解いただけたのではないでしょうか。

 

ですから、わたしは不登校になった原因は

 

あまり重要視していません。

 

関わるお子さんたちの気持ちをまずは受け止め

 

次に,今ここからどうしていくか

 

を優先的に考えるようにしています。

 

 

 

 

まとめ

今回は不登校を「甘え」を見ることのデメリットについて説明しました。

 

もし身近に不登校のお子さんがいたら「甘えてる」と決めつけて

 

原因探しをする前に

 

この子 ”と“ どんな時間を過ごすかに目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

 

参考・引用文献
・土井健郎(1998)注釈「甘え」の構造.弘文堂
・日本財団(2018)「不登校傾向にある子どもの実態調査」日本財団

 

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