【どこでもできる】注意訓練法のやり方

マインドフルな体

こんにちは ツナカンです。

私はふだん公認心理師として仕事をしています。

またマインドフルネスを支援や実生活に活かしています。

 

私は面接の中で相談者の方と

マインドフルネスワークを一緒にすることがあります。

 

しかし,瞑想に縁がなかったり

あったとしても怪しんでいたり

そういうことはけっこうあります。

 

どちらにしても

瞑想そのものに対する抵抗は大きいということです。

 

この記事を読んでくださっている方には

悩みから楽になりたいけど瞑想って怪しいよ

そんな風に思う方もいるでしょう。

 

そこで瞑想以外の選択肢として

注意訓練法

をご紹介します。

 

この記事を読んでいただければ

ストレスに強い自分を作る方法

感情のコントロールができる自分

を知ることができるようになり

そうなることで,もっと自分を好きになれると思います。

 

内容は以下の通り

1.注意訓練法のやり方
2.注意訓練法の段階
3.注意訓練法のおススメの動画
4.ストレスはなくすのではなく“気づき”で対処する

 

また今回も以前書いた記事に続いて

私が日本マインドフルネス学会で受けた

ネット研修会の内容を参考にしています。

 

日本マインドフルネス学会では

マインドフルネスをデータに基づいて

科学的に研究している学会ですので

そこで得られる情報はかなり信頼性の高いものです。

 

 

 

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注意訓練法のやり方

注意訓練法はとても簡単です。

方法は以下の通りです。

 

 

  • 場所を選ぶ
  • 音を1つ選んで聞く
  • 聞く音を転換する
  • すべての音を同時に聞く

その①:場所を選ぶ


まずは場所を選びます。

色々な音が聞こえる場所が良いでしょう。

 

特に公園がおススメです。

しかし,近くに公園がなければ

家の中でも良いでしょう。

 

ただし,人の声のような気持ちを掻き立てられるような音ではなく

中性的な音が良いでしょう。

 

その② 音を1つ選んで聞く

今いる場所から聞こえる,どの音でもよいので一つ選びます。

それに聞き耳を立てましょう。

そのまま5~6分過ごします。

 

最初のうちは難しいと思います。

何度も集中力が途切れるでしょうが

そのたびに音に注意を戻しましょう。

 

 

その③ 聞く音を転換する

そこには,何種類くらいのどんな音がするでしょう

先ほど,一つの音に注意を向けました。

 

今度はさっきとはちがう音に注意を向けてみます。

数十秒,一つの音に集中したら

次はまた別の音に注意を向けてみます。

 

こうして,その場で聞こえる音に注意を一通り向けます。

 

 

その④ すべての音を同時に聞く

最後に,今まで注意を向けてきた音

これらすべてを同時に聞きます。

 

どの音も聞き漏らしがないように

注意を分割します。

 

そのまま2~3分注意を分割した状態で過ごしましょう。

以上が注意訓練法の流れになります。

 

 

 

注意訓練の3段階と注意点

これまでの流れを見るとわかるように

注意訓練とは,自分自身が注意を向ける対象を

意図的にコントロールしているのです。

 

それが

① (持続的)選択的集中
② 転換
③ 分割

の三段階なのです。

 

最初は手こずるかもしれませんが

慣れてくると自動的にできるようになり

意図しなくても“気づき”を得ることができるようになります。

 

 

 

注意訓練法のおススメの動画

ここまで読んでもらって

読んでみたけどよくわかんないよ!

そういう方のために

以下の動画がおススメです。

短時間でできますので

興味を持ったらぜひやってみてください。

 

 

 

ストレスはなくすのではなく“気づき”で対処する

注意訓練を知ったところで

音を聞くだけなのに何の役に立つというの!?

と言われそうですが

ちゃんと意味があります。

 

それは

 

感情に飲み込まれにくくなる

 

という効果なのです。

 

感情の炎の中に身を投じているのではなく

感情の炎を観察するようなイメージです。

怒り・悲しみ・不安など

ネガティブな感情に飲み込まれている時は

すなわちストレスを感じている時です。

 

私のところにも子育てや仕事のストレスを感じて

相談にいらっしゃる方は多いのですが

そういった方に多いのが

 

趣味で解消します。しかし,趣味の時間も持てません。

 

とか

 

考えないようにしてるのに考えちゃうから,またストレスになる

 

とか

 

お酒を飲んで忘れます。

 

 

ゲームをしてストレス解消します。でも負けるとまたストレスになる

という答えが多いのです。

 

つまり,何とかして

ストレスを減らそう

ストレスをなくそう

ストレスを感じないようにしよう

としているのです。

 

この方法が必ずしも悪いわけではないのですが

ストレスを避けようとするから

うまく避けられない時には

余計にストレスになるし

そうすると頭の中で次のストレスについて考えるようになる…

 

こうした循環の中でどんどんストレスは上がります。

 

感情の炎は無視をしても

消そうとしても益々燃え上がるのです。

 

 

注意訓練はこれらとはちがうアプローチです。

 

心を閉じずに,目の前のことに気づき続ける訓練なのです。

ストレス場面の例を挙げるとするならば

 

今自分の頭には怒りが~%,悲しみが~%…

 

とか

 

今,自分は悲しみに飲まれていた!

 

という感じです。

 

ここで,注意したいことがあります。

 

よく瞑想などを勧めると

何も感じない“無”の時間がいいですよね

とおっしゃる方は多いのですが

 

これははっきり言って

瞑想の使い方をまちがえています。

 

これと同じように注意訓練もストレスを感じた時に

 

忘れるため,気晴らしにやるべきものではありません。

 

日常のルーティンとしてやるべき です。

 

 

なぜ無になるためにやっちゃいけないの

そう思うかもしれませんが

 

無になろうとすること自体がすでに欲であり無ではない

 

のです。

 

 

ここで「白熊の抑制目録」という心理実験をご紹介します。

5分の時間を与えて二つの実験を実施する。

 

・自由にものごとを思い出してもらうグループ

・できるだけ白熊にまつわる何かを思い出してもらうグループ

 

そのあと

①何の準備もなく5分の想起

②白熊について思い出さないように努力する時間を5分置いてから想起

 

結果

②の方が ①の3倍白熊を思い出す

Wegner DM,schneider DJ,Carter SR,White TL,Paradoxical effects of thought suppression.J Pers Soc Psychol 53;5-13,1987
Wegner DM,Zanakos S,Chronic thought suppression.J Pers62;615-640,1994

 

つまり思い出さないようにしようとするほど思い出されてしまうのです。

 

 

結局のところ,大事なのは 気づきを得ること に尽きるのです。

 

 

 

まとめ

今回は注意訓練法についてご紹介しました。

注意訓練法は手軽で,ほとんどの場所でできる

心のトレーニングです。

 

注意訓練法ではストレスをなくすのではなく

心を開いて,まるで観察者のように

自分自身に対する“気づき”を得ようとします。

 

またこうしたトレーニングは確実に心身に染み込み

ストレスに強い自分になることができます。

ストレスに強くなれば自信が持てるし

理想の自分にも近づけるはずです。

 

興味を持たれたら,注意訓練法に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

参考

・熊野宏昭「注意訓練法」令和2年度 9月日本マインドフルネス学会研修会

 

 

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