自分の中に“安全基地”を作るための3つのプロセス

マインドフルな体

こんにちは ツナカンです。

 

ふだん公認心理師として仕事をしています。

 

またマインドフルネスを支援や実生活に活かしています。

 

 

 

相談者の中には強い不安を持つ方は少なくありません。

 

例えば…

子どもの将来が心配です。

 

とか

 

お子さんであれば

学校に行くのが不安です。

 

人に会うのが怖いんです。

 

そんな相談に応じることがあります。

 

そんなとき,多くの人がしているのが

 

自分に「大丈夫」と言いきかせます。

 

とか

 

考えないように別のことをします

 

というものです。

 

それはそれでも良いのですが

 

もし,こころの底の方からもっと

 

安心できるような方法があるとしたら

 

とりいれてみる価値がありそうではないですか?

 

今回,私から

 

自分の中の安全基地を作るための方法

 

をご紹介します。

 

それは3つのプロセスからなっていて

 

この記事を読んでいただくとそれらがわかります。

 

そのプロセスは以下の通りです。

 

1.自分の中に“安全基地”を作る
2.セークレットオブジェクトを作る
3.センタリング瞑想

 

この記事を読んでいただければ

 

不安なとき,緊張しているとき

 

落ちつきをとりもどして

 

もともと持っている力をつかいきることができる…

 

そんな可能性を高めてくれるはずです。

 

  • 自分のなかに安全基地をつくる方法がわかる
  • セルフコントロールのためのやさしい本の紹介

 

 

 

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自分の中に“安全基地”を作る3つのプロセス

 

不安なとき,落ちこんだとき

 

いつも自分のそばに,だれかがいてくれて

 

なぐさめたり,はげましてくれたりしたら

 

どんなによいでしょう。

 

しかし,あるていどの年齢になれば

 

ほとんどの場合そんなわけにはいきません。

 

そんなとき,自分の中に

 

安全基地

 

があって,いつでも

 

もどってこれるとしたらどうでしょう?

 

 

いつでも,どこでも,安全基地にアクセスできれば

 

これほど心強いものはないはずです。

 

自分の中心を探す

まずは自分の中の“中心を探す”プロセスです。

 

安全基地は自分のことを好きになれる,幸せを感じる時間です。

 

それを自覚するための方法は以下の通りです。

 

  1. 自分自身を好きなとき,幸せを感じるときはいつかを考える
  2. 自分自身を好きなとき,幸せを感じるときの感情を意識する
  3. 自分自身を好きなとき,幸せを感じるときの身体感覚を表現する

 

 

 

その① 自分自身を好きなとき,幸せを感じるときは″いつ”かを考える

 

自分を好きだとか,大切だとか思える時間は

 

心の安全基地になります。

 

そんな時間を考えてみてください。

 

 

そういわれてもちょっと思いつかない

 

 

そんな方は,こんな風に自分に投げかけてみてください。

  • 私は○○をしているときホッとしている
  • 私は○○のときの自分が好き
  • 私が幸せなとき,小さな幸せを感じるとき○○である

 

こんな風に考えると,何かしら出てくるのではないでしょうか。

 

日常の中に好きな時間はありませんか?

 

ちなみに私は

 

一人,もしくは気のおけない人と

 

あまり話さずにカフェで

 

コーヒーをじっくり味わっているとき…

 

そんなふうにコーヒーを味わっていると

 

恐怖を感じることなく,昔を思い出したり

 

未来をイメージできたりできます。

 

時間をこえたとしても帰ってこられる…

 

そんな安心感があります。

 

 

 

その② 自分自身を好きなとき,幸せを感じるときの″感情”を意識する

 

では,自分を好きなときや,幸せを感じるときがわかったら

 

そのとき,どんな感情を抱いているでしょうか。

 

ちなみに,プルチック(1980)によれば,感情には

 

怒り,嫌悪,悲しみ,驚き,恐れ,受容,喜び,期待

 

などの8つがあるとしています

 

ちなみに私は先ほどの例からは

 

「受容」と「喜び」があてはまると感じました。

 

読んでいただいているあなたはいかがでしょうか。

 

 

 

 

その③ 自分のことが好きなとき,幸せを感じるときの″体の感覚”を表してみる

 

少なくない人が

 

感情をどこで感じているのか

 

意識できていません。

 

日本には昔から感情を体で表すことわざがあります

  • 怒髪天を衝く(怒り)
  • へそで茶を沸かす(笑い)

なんて言葉があります。

 

そんな言葉きいたことないです。

 

もしかしたら,さっきのような例は

 

今どきは使わないかもしれませんが

 

  • むかつく(怒り)
  • あたまにくる(怒り)
  • ぶんなぐる(怒り)
  • 胸糞悪い(嫌悪)
  • 胃が痛い(嫌悪)

 

など,体で感じた感情をあらわす言葉は今でもあります。

 

こんな風に,自分のポジティブな感情は

 

身体のどこで感じているのかを探ってみてください。

 

ちなみに私は

 

お腹のどっしりとした安定感と温かい感じ,

 

それから上半身がふわっと浮くような感じ

 

でした。

 

 

 

セークレットオブジェクトを作る

 

セークレットオブジェクトとは

 

不安や緊張にみまわれたとき

 

自分の中心感覚(安心)を思い出すためのきっかけ

 

の役割を果たすアイテムのことです。

 

例えば以下のようなもの

  • 家族写真
  • 子ども時代のおもちゃ
  • 好きなキャラクターグッズ
  • 大切な人からのプレゼント

 

もちろんこのリスト以外のものでもかまいません。

 

 

 

気持ちが落ち着けるものならいいんだ

そう思うかもしれませんが

 

どうせなら使いやすいものの方が良いでしょう。

 

 

セークレットオブジェクトの望ましい条件として

  • 電源やバッテリーをつかわずにすむ
  • ネガティブな体験と結びついていないもの
  • いつも身につけていないもの
  • 大切な人からのプレゼント
  • 持ち運びしやすい大きさ・軽さ
  • 1つでなくてもよい
  • 目的によって使いわけてもOK

などがあげられています。

 

 

 

また,練習をかさねるうちに

 

これらをイメージするだけでも効果があるとされています。

 

 

これらを,このあと紹介するように

 

センタリング瞑想のときに近くにおいておくのです。

 

認知行動療法でいうところの条件づけをおこなうわけです。

 

 

私は毎日,瞑想をしていたり

 

それほどたくさんの新しい場面や

 

不安になる場面に立ちあうことがないせいか

 

セークレットオブジェクトがなくても

 

少しくらいのプレッシャーはしのげてしまいます。

 

 

 

センタリング瞑想

まず集中しやすい静かな場所をえらびましょう。

 

プロセスは以下のとおりです。

  • 呼吸
  • 体をリラックスさせる
  • リラックスさせたままにする
  • 自分の体が支えられているところに意識を向ける
  • 軽くゆっくり動いて現実に戻る

 

 

 

その① 呼吸

 

やさしく目を閉じ,肺いっぱいに息を吸い込みます。

 

そして自分のペースで息を吐きだします。

 

これを5回くらいくり返します。

 

気がかりなことなどが浮かんだら脇においておきます。

 

 

 

その② 体をリラックスさせる

 

両肩をだらんとたらします。

 

ゆっくりと呼吸をしながら

 

顔全体の筋肉の力を一つずつ抜いていきます。

 

指をそっと動かして力を抜いていきます。

 

足首を回したりつま先を曲げ伸ばししたりしながら

 

足の筋肉をリラックスさせます。

 

 

 

その③ リラックスさせたままにする

 

そのまま自分自身を深くリラックスさせたままにします。

 

身体を動かしたくなったら,そのつど

 

ゆっくりストレッチします。

 

自分のおだやかな気持ち

 

逆に,張ったり,かたくなったりしているパーツがあるならば

 

少しずつリラックスに変わっていく…

 

そんな変化に身をまかせます。

 

 

 

その④ 自分の体が支えられているところに意識を向ける

 

ここからは目覚めのプロセスです。

 

自分が支えられているところ…

 

イスと体がふれているパーツや

 

床の座る面などに注意を向けます。

 

また,まわりからきこえてくる音にも注意をはらいましょう。

 

 

 

その⑤ 軽くゆっくり動いて現実に戻る

 

頭をゆっくりと左右に動かします。

 

少しずつ目をひらいていきます。

 

やさしくまばたきをして見えるものをじっと見ます。

 

そして,自分がどこにいるのか

 

これまで何をしていたのか,たしかめるように

 

息をはーっと吐き出します。

 

ゆっくりと身体を動かして

 

気もちのよい姿勢をとります。

 

 

 

これが,ひととおりのやり方です。

 

この呼吸法のときに

 

セークレットオブジェクトを

 

近くにおいておくことで

 

もちはこびできる安全基地ができるのです。

 

 

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もう少し知りたいという方は

 

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さらにくわしく説明されています。

 

イラストつきで厚みもあまりなく

 

この他にも,いろいろなエクササイズが紹介されています。

 

本って『ぜんぶ読まなきゃいけない』と思っちゃうんですよ…。

 

それでつい読まなくなって

 

さいごには買わなくなっちゃうんです。

 

 

 

この本は,わたしも持っていますが

 

自分にあっていると思うエクササイズをえらんで

 

必要なときに目をとおしてやってみるくらいで

 

気がまえずに読める本です。

 

題名のとおり,気がまえないことが

 

ココロが軽くなるコツですし

 

そのとおりにできている本だと思います。

 

 

 

センタリングとは

 

センタリングとは

 

自分の心と身の中心に立ちもどるプロセス

 

です。

 

 

これは新しいスキルではなく

 

もともと,人にそなわっていたのに,わすれてしまっていて

 

もとの自分のコンディションにもどるためのスキルなのです。

 

そのためには

 

今,この瞬間の自分への “気づき” がカギになります。

 

ここにマインドフルネスとの共通する点があります。

 

ストレスを感じたときには

 

呼吸のサイクルがみじかくなったり

 

乱れやすくなったりします。

 

こうした速くてあさい呼吸はパニックにおいうちをかけます。

 

さらに,もっと息を吸おうとすることが

 

かえって,あやまって速い呼吸をうながしてしまい

 

苦しみを高めてしまうと言われています。

 

こうして

 

おちつけるはずの呼吸でかえって苦しくなってしまう

 

という

 

悪循環におちいるのです。

こうしたことを防ぐためにも

 

センタリング瞑想をルーティーンにするなどして

 

いざというときに落ちつけるように

 

練習しておくことはとても良いはずです。

 

 

 

まとめ

今回は

 

心の安全基地の作り方とセンタリング瞑想法

 

をご紹介しました。

 

センタリングは,もともと自がもっている力を引き出し

 

安定をとりもどすやり方です。

 

この記事を読んで

 

セークレットオブジェクトをつくって

 

いざというときに自分の中心にもどれる…

 

そんなきっかけを作ってもらえたら幸いです。

 

ご意見やご質問などはお気軽にどうぞ
お問い合わせ

 

 

参考

・菅村玄二「マインドフル実践に活かすセンタリング・スキル」令和2年度 3月日本マインドフルネス学会研修会
・越川房子 監(2007)ココロが軽くなるエクササイズ.東京書房,pp92-93.

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