【ストレス対処】地に足つく“グラウンディング”

マインドフルネス

こんにちは ツナカンです。

 

ふだん公認心理師として仕事をしています。

 

 

 

最近,イライラしてしまいます。

 

 

そんな時はどうしてるんですか?

 

 

グチを言ったりして発散してます。

 

 

それで解決してますか?

 

 

いえ、それでもちょっとしたことで

 

怒りが爆発してしまうんです。

 

それから,後悔するんです…。

 

 

 

ストレスがたまってるからなのか

 

買い物しすぎちゃったり

 

お酒を飲みすぎちゃったり…

 

毎日,飲まないとやっていられない気分です。

 

 

わたしたちは,こんな風に

 

感情にまきこまれて

 

うまくいかないことを

 

人生の中で何度となく経験します。

 

ストレスは発散するもの

 

だと思っているからなんですね。

 

 

え!?ちがうの?

 

発散もちょうどいい位ならいいのですが

 

ネガティブな気持ちからなかなか抜け出せないのは

“感情の嵐”

 

に,まきこまれていることに

 

自分が気づいていないからなのです。

 

今回は

 

この感情の嵐からぬけだすための

 

グラウンディング

 

についてお伝えします。

 

 

この記事を読んでもらえれば

 

怒りや悲しみで

 

苦しくなってしまったときの

 

対処法を知ることができます。

 

ポイント

・グラウンディングはカンタンにできる

・グラウンディングはいつでもできる

・ストレス発散ではない

 

 

 

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グラウンディングのやり方

グラウンディングは

 

こんな風にやります

 

  • 気づく
  • 体とつながる
  • まわりに気づく
  • まわりのものに触れてみる

 

 

 

①気づく

まず,自分が今,何を考えているのか

 

気づきましょう。

 

例えば

 

「今『        』と考えた」

 

「今『        』と思った」

 

のように。

 

 

何も出てきません

 

その時は

 

『何も出てこない』と考えた」

 

のです。

 

 

いや、やっぱりむずかしいです。

 

『やっぱりむずかしい』 と感じた」

 

のです。

 

 

 

こんな風に,自分の頭の中にうかぶ

 

あらゆることを

 

『   』の中に入れてみると

 

自分が考えていること

 

感じていることが

 

わかりやすくなります。

 

 

 

②体とつながる

深い呼吸をしましょう。

 

肺いっぱいに空気を満たして

 

それから,ゆっくりと息を吐きだします。

 

そして,地面に足の裏をおしつけます。

 

手は両手をぎゅっと合わせます。

 

もしかしたら

 

「あれ,こんな感じがしてたのか」

 

と自分を再確認するかもしれません。

 

 

 

③まわりに気づく

今いる所から,何が見えるのか5つ数えましょう?

 

その後,何が聞こえるのか4つ数えましょう?

 

どんな匂いがするでしょう?

 

自分がどこにいて,何をしていますか?

 

こうすることで “感情の嵐” の中にいても

 

感情のままに動いてしまう前に

 

自分に気づくことができるでしょう。

 

 

 

④まわりのものに触れてみる

周りのものに触れてみましょう。

 

そして,どんな感触がするのか

 

よく確かめてみましょう。

 

どんな風に感じますか?

 

 

 

グラウンディングの良さ

グラウンディングにはこんなメリットがあります。

 

  • 場をえらばない
  • カンタンにできる
  • 実感しやすい変化
  • うまくなれる
  • いつでも使える

 

 

 

①場をえらばない

 

よほど危険なところだとか

 

シチュエーションが良くないところでなければ

 

いろいろな場所でできます。

 

例えば,出勤のバスや電車の中なんかでも

 

することができます。

 

ちょっとくらい騒がしくても大丈夫です。

 

今記事を読んでいるこの瞬間も

 

グラウンディングの練習の場に

 

なりえるのです。

 

 

 

②カンタンにできる

読んでいただいたとおり

 

方法はカンタンです。

 

これだけシンプルなら

 

小さなお子さんでもできます。

 

カンタンにできるということは

 

生活に取り入れやすくなります。

 

 

 

③実感しやすい変化

 

グラウンディングをやってもらえれば

 

わかりますが

 

ふっと抜けるような感じを味わいます。

(もちろん例外もあります)

 

グラウンディングは

 

トラウマの治療にもつかわれる方法です。

 

それだけ,重要視されているのです。

 

この記事を読んでいる目を

 

少しの間そらして

 

マウスをにぎっている手を放せば

 

今すぐにでもできるのです。

 

 

 

④うまくなれる

 

 

やってみたけど

 

なんだかよくわかんないんです。

 

 

もしかしたら

 

はじめのうちは

 

一人ではうまく

 

できないかもしれません。

 

しかし,やっているうちに

 

だんだん体になじんでいきます。

 

やってみて,自分の感覚を信じましょう。

 

やってみて,日に日に体に染み込んでいく感じを

 

味わうのもまたちがう楽しみになっていきます。

 

 

⑤いつでも使える

 

グラウンディングと似たものに

 

マインドフルネスがありますが

 

マインドフルネスは

 

あくまでも

 

“今,この瞬間に価値判断をせずに注意を向けること”

 

です。

 

ですから,ストレスを感じている

 

その瞬間にやることで

 

ストレスを解消することが目的になってしまい

 

マインドフルネスの本質を

 

見失いかねません。

 

 

 

 

一方,グラウンディングは

 

こころにアンカー(おもり)をつけることです。

 

ですから,ストレスを感じていないときはもちろん

 

ストレスを感じているその瞬間に

 

使うこともできるのです。

 

 

 

グラウンディングの注意点

 

 

イライラしたときに,一度やってみたら

 

なんだか安心した気がしたので

 

またやってみたんです。

 

 

 

でも今度は,前みたいに

 

イライラした気持ちがなくならなくて

 

やっぱり役に立たないのかなって

 

思いはじめました。

 

 

グラウンディングは

 

イヤな感情をなくして

 

スッキリすることではありません。

 

グランド,つまり “地に足をつける” ということです。

 

まるで雨風が吹きすさぶ嵐の中で

 

しっかりと地面に根をはって過ごすことなのです。

 

 

 

 

グラウンディングをやってみた

お子さんの不登校に悩む親ごさんの話

 

 

こんなことで

 

自分のイライラとか

 

不安とかが

 

軽くなるなんて

 

初めはあまり信じられませんでした。

 

だから,何回か落ち着いている時に

 

練習をしてみました。

 

子どもが,朝になると

 

「学校に行きたくない」

 

と言いうと,いつも

 

『そんなことでどうするの!?』

 

って怒って,

 

子どももそれを聞いて

 

落ち込んで

 

自分の部屋に引きこもってしまうんです。

 

『それじゃいけない』って

 

自分でわかっているけど

 

いつもそんな感じになってしまって…

 

 

 

そうして迎えた月曜日

 

やっぱり子どもが

 

「学校に行きたくない…」って言いだして

 

『始まった…』と思ったんです。

 

 

 

そこで練習していたグラウンディングを

 

やってみたんです。

 

 

 

そしたら

 

『また同じパターンになる』

 

って気づいて

 

自分にブレーキがかけられたんです。

 

そして,静かに子どもと話ができたんです。

 

 

 

もちろん,それだけで子どもは

 

学校に行くわけじゃないんですけど

 

部屋に引きこもらないで

 

話をしてくれたんです。

 

『学校に行くのが怖いんだ』って。

 

今まで,そんな子どもの気持ち

 

ちゃんと聞いてあげられなかったこと

 

反省しました。

 

 

 

 

まとめ

今回は, グラウンディング をご紹介しました。

 

もちろん,グラウンディングを覚えれば

 

なんでも解決するというものではありません。

 

しかし,ゆきづまりを解決する

 

きっかけになることもあります。

 

グラウンディングを覚えてもらい

 

練習してふだんの生活のお役に立てば

 

幸いです。

 

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参考文献
・「ストレスを感じたらやるべきこと: イラストガイド」
翻訳:早稲田大学人間科学部・大学院人間科学研究科 大月研究室
<訳 者>梅田亜友美、松本菜々子、伊藤里菜、加茂万菜美、黄 優花
<監訳者>井上和哉、岩澤直子、村松穂香
<監修者>大月 友 2021年夏
© OHTSUKI Lab., Faculty of Human Sciences, WASEDA University.
japanese_doing.pdf (act-japan-acbs.jp)

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