【不登校の前に】保健室登校の5つのメリットと3つのデメリット

不登校支援

こんにちは ツナカン です。

公認心理師として

子育てに悩む保護者の方や

不登校のお子さんの

支援をしています。

 

現在,お子さんが不登校になったときの受け皿は

主に適応指導教室かフリースクールです。

しかし,不登校の未然予防や,学校復帰の際

頼りになるのが保健室です。

 

教室は嫌だけど他の部屋ならいられるかも…

そういう気持ちならば

保健室登校にはたくさんのメリットがあります。

そこで,今回は

保健室登校のメリット・デメリット

についてお伝えします。

 

この記事を読んでいただければ

こんなことがわかります。

 

1.保健室登校のメリット5つ

2.保健室登校のデメリット3つ

3.保健室登校ではどんな生活が期待できるか

4.保健室登校の具体例

 

フリースクールも適応指導教室も

学校から離れてしまうことになるし

それに伴うデメリットもあるのです。

保健室登校がうまくできれば

お子さんの将来も変わるし

親御さんにとっても安心することができます。

 

なお,この記事を書くにあたっては

養護教諭の先生方のお話を参考にしています。

一般的な内容だと思いますが

書いてあるのと対応がちがうとか

そもそも保健室登校を受け入れていないなど

例外もあると思いますのでご理解ください。

過去にはこんな記事もあります。
不登校・登校しぶりに養護教諭(保健室)に期待できること
 

 

 

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保健室登校のメリット5つ

保健室登校をすることで

こんなメリットがあります。

  • 情報にアクセスできる
  • 不登校の未然予防
  • 生活のリズムが整う
  • 先生・子ども同士の交流がある
  • 個別の対応が受けられる

 

 

その①:情報にアクセスできる

適応指導教室やフリースクールへ通うことで

もっとも大きなデメリットは

学校の情報から遠のいてしまうことでしょう。

 

学校の行事や,同級生がどうしているのか

肌身でわからなくなってしまいます。

それが,お子さんの再登校の機会を

遅らせてしまうことにもつながりかねません。

 

また,情報をもらっていたとしても

タイムラグができるのはやむをえないことなのです。

 

これを保護者が

学校(先生)が教えてくれない!

と怒っていることがあります。

お気持ちは察するに余りありますが

どんなに先生がお子さんを気にかけていたとしても

起きてしまう現象だと思います。

 

ですから保健室登校をすることで

学校の情報にアクセスできる

というメリットが得られれば

保護者の不安や不満,また起きがちな誤解も

減らすことができるでしょう。

それはお子さんにとっても同じです。

 

その②:不登校の未然予防

教室で過ごすのが辛い

そんなお子さんにとって保健室は強い味方です。

 

最初は「ちょっと具合が悪い」というところから

利用は始まるかもしれません。

 

保護者や本人,担任,管理職の理解を得て

保健室を拠点にして通学することも可能になります。

不登校になる前に保健室登校から様子を見られれば

教室への復帰も遠のかずに済むかもしれません。

 

その③:生活のリズムが整う

この後に解説がありますが

保健室にいこうとするだけでも

生活のリズムは学校が基準になります。

不登校になりそうな子であれば

生活のリズムが乱れにくくなるし

登校再開する子にとっては

生活のリズムが整うきっかけになります。

 

その④:先生・子ども同士の交流がある

保健室登校をしていれば,教室ほどでなくとも

先生や生徒との交流の機会があります。

教室であれば通常は担任の先生になりますが

保健室登校であれば,いろいろな先生との交流が生まれます。

その中で,担任の先生や学校との関係性も変化します。

また友だちとのトラブルで教室にいられなくなった子

であっても,仲が悪くない子との交流を持つことができます。

仲間ができれば教室に戻れることもあります。

 

その⑤:個別の対応が受けられる

保健室登校をする子が多いと

必ずしもその限りではありませんが

個別の対応をしてもらえることがあります。

心理的な意味でも,落ち着いて学習するという意味でも

このメリットは大きいはずです。

 

そのほかにも,適応指導教室やフリースクールでは

お昼を用意しなければならないのに対して

保健室登校であれば給食が食べられる

というのもメリットかもしれません。

 

 

 

保健室登校のデメリット3つ

保健室登校にもデメリットはあります。

それは以下のようなものです。

  • ほかの人の目
  • 嫌な子に会う可能性
  • 養護教諭との相性が悪いと居心地が悪い

 

 

その①:ほかの人の目

保健室登校は,はっきりと言ってしまうと特別扱いです。

当然,他の子からすれば

どうしてここで過ごしているの?

と思われるし,直接・間接的に聞かれることもあります。

 

養護教諭(保健室の先生)もフォローしようとするでしょうが

それだけで完璧というわけにもいかないでしょう。

 

また,これはお子さんだけに限った話ではありません。

保護者同士でも

~ちゃんは保健室登校してるけど何かあったの?

なんて話になります。

 

気にしないようにすればいい

とアドバイスしがちなのですが

そようなアドバイスはあまり効果的ではありません。

 

この点については担任や,養護教諭などと相談し

ある程度の配慮は求めつつも

限度・限界があることは前もって理解しておく必要があります。

 

 

その②:嫌な子に会う可能性がある

嫌なことがあって保健室登校をするのですから

~に会いたくない!

そんな気持ちになるのは当然です。

しかし,保健室は皆が使う部屋ですので

当然,他の生徒もやってきます。

また,それを制限することもできません。

相性の悪い子が利用することだってあります。

その時,どんな風に立ち振る舞うか

作戦を考えておく必要があります。

 

その②:養護教諭との相性が悪いと居心地が悪い

養護教諭(保健室の先生)の基本的な姿勢として

気持ちを理解し,受け止めようとしてくれますが一人の人です。

忙しければ余裕がないこともあります。

また組織の人間ですので,組織的な判断に基づいて対応する職員です。

 

こうしたことがお子さんとの相性を決めます。

相性が悪ければ保健室での居心地は悪くなります。

ただ,普通は養護教諭だけに任せることはないでしょうし

他の先生方もお子さんと関わってくれるので

ある程度はカバーもしてもらえるはずです。

 

 

保健室登校はどんな生活か

メリットもデメリットもある保健室登校ですが

どのような対応がされるのでしょうか。

それは以下の通りです。

  • 勉強する
  • 学校の日課と同じ活動
  • 担任外の教員がつく

 

その①:勉強する

保健室登校と言えども

学校ですので,当然勉強はあります。

教室にいられないデメリットを少しでも減らすためです。

ちなみに

勉強から逃げたい

というのであれば

長期の利用が可能なフリースクールがよさそうです。

安心できる場所で将来をじっくりと考えるには

良いと思います。

 

 

その②:学校の日課と同じ活動

保健室登校ではできるだけ学校の日課と

同じ活動をすることが求められます。

また独自のルールが設定されることがあります。

 

例えば

授業時間中は廊下に出ない

先生に直接教われない時には課題学習

等です。

 

これは教室との生活ギャップを減らすためです。

登校する時間や在室する時間等

何らかの配慮が必要なのであれば

学校に相談しておくのが良いでしょう。

 

その③:担任外の教員がつく

担任の先生は当然ながら自分のクラスが中心です。

それでも保健室に登校していれば

空いた時間を縫って会いに来てくれるでしょう。

そうであっても,先生の時間は限られています。

 

そのため空き時間の先生が

授業を教えにきてくれたり,声をかけにきてくれたりします。

担任との相性が悪く保健室登校をすることになった場合

こうした担任外の先生のフォローによって

教室に出入りできるようになるケースもあります。

 

 

こんな時に使いたい保健室登校

保健室登校は,お子さんの

以下のようなニーズに応えてくれます。

  • 友だちはいるけど教室の居心地が悪い
  • 体調を崩しやすい
  • 教室から距離をとっても学校からは離れたくない
  • 教室に戻れるようになりたい

 

適応指導教室やフリースクールが 学校との距離

を意識していることに比べ

保健室登校は 教室との距離

を意識していると言えるでしょう。

 

教室に戻ることを前提にして

いったん教室と距離を置いてみるための

暫定的・一時的な居場所であることは

知っておいた方が良いでしょう。

 

また,念のため付け加えておくと

保健室登校のお子さんがいる時間帯には

養護教諭は守秘義務に関する仕事はできません。

保健室登校のお子さんに対しても

日課に沿った生活をさせるため

実質的な仕事量は増えると言われています。

 

 

 

保健室登校の例

 

保健室登校にしたことで

どんなケースがあったのか以下にご紹介します。

なお,個人の特定を避けるため

架空の事例になることをご了承ください。

 

事例

クラスの同級生とのネットトラブルとなる。

担任の先生にも相談したが

望んでいたような対応がかなわず失望し

学校を休み始めるようになった。

 

そこで,学校からは保健室登校の提案があり

ダメもとで初めて見ることにした。

生活が乱れ始めていたので

無理のない時間帯から登校を始めた。

 

保健室では養護教諭に声をかけてもらいながら

課題をこなしたり,担任の先生や

担任外の先生がよく様子を見に来てくれた。

また休み時間や給食の時間には

トラブルとは無関係の友だちが顔を見せに来てくれた。

そういう交流の中で,徐々に学校に対するイメージが変わり

クラス復帰にも挑戦する気持ちが出てきた。

 

はじめは気乗りしなかったが

他の生徒や,関係の良い担任外の先生の声かけがあり

学校行事などをきっかけに短時間ではあるが

教室に入れるようになってきた。

 

クラスでは担任の先生が

生徒の状態や関係を近くで見ることができたため

トラブルのあった生徒との調整がしやすかった。

勉強の遅れも少なかったため

約3か月ほどで教室に復帰できた。

 

年度の切り替えで人間関係も変わり

それ以降はまた通常通り過ごせるようになった。

 

これは成功事例になりますが

おおむねこのような流れになると思います。

 

うまくいかなかったとしても

適応指導教室などにつなげばよいですし

保健室登校をしていれば

家で引きこもっていたお子さんと比べて

情報量が変わりますので学校と

適応指導教室やフリースクールとの連携体制もしやすくなります。

 

 

まとめ

今回は

保健室登校のメリット・デメリット

について紹介しました

 

学校はいろいろなことがありますが

嫌なことがあっても,そこから持ち直す経験

を持てることはお子さんの自信になります。

 

保健室登校は

学校の機能

でもありますから

早々に学校をあきらめてしまって

適応指導教室・フリースクールを利用する前に

保健室登校を試す価値はあります。

 

この記事が,お子さんや保護者の

お役に立てば幸いです。

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適応指導教室に通うことの4つのメリット・デメリット

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