こんにちは ツナカンです。
ふだんは心理師として
不登校のお子さん
子育てに悩む親ごさん
学校の先生を応援しています。
コロナ禍をきっかけにオンライン学習が普及し
自宅での学習が以前よりもできるようになってきています。
こうしたことが拍車をかけたのか
不登校のお子さんはうなぎのぼりです
令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf
これまで不登校のお子さんについては
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2021/03/-2-e1615446971688.jpg)
心のエネルギーが溜まるまで待ちましょう
といった “待ち”のスタンス が勧められることもありました。
でも自宅で過ごす時間が伸びると
- やる気が下がる
- 社交性が下がる
- 健康問題がおきる
- 学力の低下
などのデメリットを抱えることがあります。
今回は
「エネルギーが溜まる待ちましょう」のデメリットと
その 解決方法について解説します。
“エネルギーが溜まるまで待ちましょう」のデメリット
「エネルギーが溜まる」と言いますが
そもそも心は触ることができませんし
見ることができません。
心理学であっても心について
統一された見方はなく
そのため色々な概念が生まれては消えています。
このように心とは限りなくあいまいなものですから
そこにエネルギーが溜まるのかどうかも怪しいところです。
言わんとすることはなんとなくわかりますが
あくまでも抽象的な表現にすぎないのです。
こうしたあいまいさを頼りに
ただ経過を見続けることには大きなリスクがあります。
以下に「エネルギーが溜まるまで待つ」ことのデメリットを解説します。
モチベーションの低下
お子さんが不登校になったら
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2021/02/溜息女性.jpg)
学校に行かなくてもせめて自宅で勉強させよう
そう考えるでしょうし
お子さんの中には
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学校に行けなくても自宅で勉強は続けたい
と考える子もいます。
しかし毎日同じ環境で同じルーティン…
しかも家には勉強をジャマするような誘惑もたくさんあります。
モチベーションは自然と下がってしまい
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2021/02/-2-e1613518613924.jpg)
あのときは勉強するって言ってたのに!
と親ごさんが言いたくなるような状況になります。
社交性が低がる
自宅だけで生活しようとすると
クラスメイトや先生との交流の機会がありません。
すると
社交性が下がって
だれかとチームワークを築く体験や
コミュニケーションを工夫することで磨かれる体験が減ってしまいます。
また、それが将来にわたって影響することもあります。
健康問題
もし自宅で学習する習慣がついたとしても
終わりのチャイムも始まりのチャイムもありませんから
ついつい長時間座りっぱなしになることもあります。
逆に勉強をする習慣がなくゲームやネットが中心の生活になっても
同じような問題が起きます。
そして運動不足による肥満や
視力の低下など健康に害がおよぶ可能性が高まります。
また、家の中が勉強できるような環境になっていない場合は
集中力をを保つことができず学力が低下しやすくなります。
学力の低下
自宅で勉強するようになったとしても
定期テストや課題を受ける機会が減ります。
それが少しずつ
- (せっかく身についた)勉強の習慣がなくなる
- 自己管理能力が下がる
- 課題の提出ができなくなってくる
など、悪い影響を及ぼすようになります。
わたしのところにも
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2020/10/pose_atama_kakaeru_woman-e1602998061446.png)
せっかくよくなってきたのですが、また悪くなりました…
こんな風に改善が続かないケースもあります。
ですから、一度改善したと思ったようでも
「エネルギーが溜まるまで待つ」のスタンスはリスクが大きいのです。
エネルギーがたまるのを待たずにできること
学校に行けるまで
エネルギーがたまるのを待たなくても
それなりのエネルギーでできることもあります。
なにより大切なのは
一人ではないと思えること
です。
一緒にやってくれる人がいる、と言いかえても良いでしょう。
オンラインの交流
自宅で勉強していたとしても
オンラインでクラスメイトや
先生と交流することができます。
例えばZOOMでオンライン授業に参加したり
チャットツールを活用すれば質問や意見交換を行ったりすることができます。
また、SNSやオンラインコミュニティを使って
同じ趣味や関心を持つ人たちと交流することもできます。
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2021/03/タイトルなし-5.jpg)
SNSは危ないでしょう?
親ごさんの中にはそう考える人も少なくないでしょう。
もちろん、適切な年齢になっていないならば
十分な親の管理が必要です。
たとえば、親のいるところでしか使わせず
使用後にはなにをしたのかを確認するようにすれば
どんな風に使えばよいのか親にもわかるでしょう。
学業がダメでもSNSで道を開く子もいますし
将来的にネットスキルやネットリテラシーは必須ですから
親の適切な管理のもとに使わせるのも一つの方法でしょう。
モチベーションを高める方法
自宅で勉強する場合、ついモチベーションが下がりがちです。
でも、高める方法があります。
例えば
- 学習計画を立てる
- 定期的に自己評価を行う
- 目標設定をする
こんな風にすることで
達成感を味わうことができて
学習への意欲を高めることができます。
ただしこればかりでなく
親が達成感を共有することが大切です。
不登校になると、つい
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学校に行かないなら自立した生活をしなさい
なんて言いがちですが
だれかと共有する体験があるからこそ
やる気は上がるのです。
他にもポジティブな体験をできるだけ増やすことも大切です。
例えば、
新しい知識やスキルを身に付けたときには
- 成果を見せる場がある(親に見てもらう)
- できた分のご褒美を用意する
こんな風にすれば
やる気を高めることができます。
また、よく見落とされているのですが
勉強するための環境が重要です。
- 集中できる場所を用意する
- 学習に適した照明や机、椅子などを用意する
- 学習に集中しやすい時間帯を見極め、学習する
- 周囲の環境を整える
- 家族で学習時間を共有し、学習中は静かにしてもらうように
- スマートフォンやSNSの通知をオフにする
こんな風に環境を整えてみましょう。
すると、自然と勉強する時間が伸びてくるはずです。
不健康の予防方法
自宅で運動不足や健康問題を解決するためには
こんな方法があります。
- 定期的にストレッチ・軽い運動をする
- 学習と休憩をバランス良くとる
- 食事や睡眠のリズムと質を良くする
自宅で長時間集中できる子はあまりいませんが
勉強の意欲がたかい自閉症スペクトラムのお子さんなどは
気づけば座り時間が長くなりがちです。
またゲーム依存のお子さんでも同様です。
座りっぱなしの時間が長いと
- 肥満
- 心臓病
- 糖尿病
- 脳卒中
- 腰痛や肩こり、膝の痛み
等のリスクが高まるとされています。
たとえ学校に行かなかったとしても
健康的な生活習慣を維持することが大切です。
「言っておいても続きません」
これまで、お子さんが不登校になって
自宅で過ごすことになったとしても
必要なことについてご紹介しました。
でもきっと
![](https://www.tsunaaruki.com/wp-content/uploads/2021/02/溜息女性.jpg)
書いてあることはわかってるし、
本人に言ってはいるけど、
一人ではやろうとしません…。
そう思われた方もいるでしょう。
そんなときに親ができることをご紹介します。
親が子どもの勉強で手伝えること
勉強はあくまでもお子さん自身がしなければいけません。
そして親が子どもの勉強に付き合えないことも多いし
できれば一人でやってほしいはずです。
そんなときにできることは
- 学習スケジュールを子どもと立てる
- 定期的に一緒に評価する
- アウトプットにつきあう
最初のうちはどうやってスケジュールを作ればよいか
子どもはわからないかもしれません。
だから一緒に立ててみましょう。
また採点などを通して
どのくらい勉強ができたか一緒に評価しましょう。
できれば毎日、一緒に評価すると良いでしょうが
慣れてきたら少しずつスパンを伸ばすのも良いでしょう。
また、一人でやった学習内容を
子どもに発表してもらうのも良いでしょう。
学習はインプットだけではなく
アウトプットすることで定着すると言われています。
自己管理能力を高める方法
自宅で過ごすなら
- 学習時間や予定を管理するためのアプリを活用する
- 道具や資料を準備する
こんな工夫をしてみるのもよいでしょう。
教材は学校で買えるもので十分ですが
場合によってはノートパソコンやタブレットなどを
うまく使うことで効率を高めることもできるでしょう。
自宅でも人付き合いの方法を学ぶ方法
自宅で対人スキルを身につけるのはカンタンではありません。
でも
- オンラインコミュニティ
- SNS
- オンライン学習塾
などは利用する価値があります。
うまく使えれば他人との交流を深めたり
コミュニケーション能力を高めたりすることもできるでしょう。
ただ使用を許可するのではなく
勉強について意見や考えを
他人と共有することで思考力や表現力の向上に
役立てることができます。
まとめ
今回は”心のエネルギーがたまるのを待つ”ことのデメリットと
エネルギーがたまらなくても、自宅でもできることについて
ご紹介してきました。
エネルギーがたまるのは実感として後からついてくるのであって
実は何かをしているうちに充実感が増してくるのだと思います。
自宅で勉強や健康的な生活を送ることができれば
自分自身の可能性を広げることも、成長にもつながります。
目標の設定のコツは
- 何を
- どの程度のレベルに到達したいか
- 学習期間はどのくらいか
などをはっきりとさせましょう。
自己評価を行うときには
- 定期的に自分自身の学習状況を振り返る
- 成果を他者に見せる
こんなことを意識することができれば
学校に行けなかったとしても
効果的に勉強をすすめることができます。
しかし、学校にいけなくなると
一人でやらねばならなくなることがほとんどです。
ですから、だれかと一緒に勉強することが本当に大切です。
例えば、オンラインの学習グループやコミュニティに参加する
さらにはオンライン学習塾等の活用も良いでしょう。
さらに、学習方法や内容についても考える必要があります。
わたしの経験上、
学習のつまずきが不登校の原因の一つになっていることも
多いからです。
そして十分にして必要な休憩も大切です。
一人でリフレッシュするとするとゲームになりがちですし
するとリフレッシュの時間が伸びてしまいがちです。
軽いストレッチや散歩も良いでしょう。
こんなことに取り組みながら
自宅でできることを実践し、効果的なスキルアップを実現しましょう。
ここまでのアドバイスを実行するのがむずかしければ
学校以外の場所を使ったり
オンライン家庭教師を使う
という方法が良いでしょう。
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