【不登校に光明!?】COCOLOプランの中身とは

不登校支援

こんにちは ツナカンです。

ふだんは心理師として

不登校のお子さん

子育てに悩む親ごさん

学校の先生を応援しています。

 

令和5年3月31日づけで

文部科学省から

「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」

通称

COCOLOプラン

が発表されました。

 

ここでは

  • 小~高までのお子さんが不登校になった場合でも色々な場で学べるようにする
  • 教育支援センターが地域の拠点になって子どもや保護者を応援する
  • 子どもの心身の状態を早期に発見する
  • 学校風土の「見える化」

これらを目的とする通達です。

 

まだまだ謎多き通達ではありますが

これまでしてきたことに加えて

新しいことも盛り込まれています。

 

今回はこの COCOLOプラン の概要について解説します。

 

この記事を読んでもらうことで

 

文部科学省の通達なんてかったるいよぉ!

という方でも

不登校の将来像を予想して

先読みしながらお子さんと関わることができるでしょう。

 

 

 

 

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【不登校は変わる!?】COCOLOプランとは

個人的にはCOCOLOプランを見るに

個人的には文部科学省にしては

思い切った政策をとろうとしていると思っています。

 

実現できるのかという問題はありますが

不登校のお子さんを応援する上では

とても楽しみで、やりがいを感じます。

お子さんにとっても、親ごさんにとっても

不登校に対する後ろめたさを

和らげてくれるのではないかと思います。

 

 

 

不登校児童生徒が学びたいと思った時に学べる環境の整備

(1)不登校特例校を増やす

  • 不登校特例校を全国で 21 校(令和5年3月現在)から 300 校を目指す
  • NPO やフリースクールなどとの事業交流(再公募を近いうちに予定)
  • 不登校特例校の設置や運営・教育活動に関わった人を設置したい人に派遣

 

不登校特例校は不登校になった子が

通っていた学校に行けなくなったときの

駆け込み寺のような存在です。

 

結局また学校!?

 

という声もありますが

不登校を経験したお子さんは

特別な配慮が必要なことが少なくありません。

 

ですから、もう一度やり直したいというお子さんにとっては

不登校特例校は福音ではないでしょうか。

 

 

(2)校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)を増やす

各学校で空き教室や空きスペースを利用して校内教育支援センターの設置が望まれる

 

これまでの教育支援センターは

学校の外にあるのが普通でした。

そのため通いたくても通えないことがあったり

学校と連携が取りにくいとか

必要な情報が届かないなどの問題もありました。

 

そのため学校のなかに教育支援センターの機能が備わるのは

大きなメリットになるでしょう。

 

 

(3)教育支援センターの支援機能等の強化

NPOやフリースクール等との連携を強化(人事交流など)

 

教育支援センターでは教員経験者が採用されていることが多く

皮肉な言い方をすると、“教師の第二の職場”となっていることも

少なくありません。

 

そのため学校の色が強く出てしまい

閉鎖的な雰囲気もなくもありません。

 

いくつかの職場・分野を経験してきた私の立場からすると

もう少し他者との交流があっても良いように思います。

 

それがより発展的な取り組みにつながり

お子さんたちに新しい価値観を伝えることにもなります。

ですからNPOとの連携を強めたり

人事交流をしたりすることを歓迎しています。

 

 

(4)教室以外の学習等の成果の適切な評価の実施

義務教育であることを前提として、一定の要件を満たせば
自宅などで ICTを使った学習活動をできるだけ指導要録上の出席扱いにし
本人に進学の希望があれば、それに合わせて成績の評価に反映することが望ましい

これ、ZOOMの利用も学習として

みなされることもありますが

最近、少しずつ始まっている

メタバース空間での学習もふくまれています。

たとえばこんな風に↓

宇都宮市がデジタル教室開設へ 不登校児童生徒が仮想空間で出席|下野新聞 SOON
宇都宮市は自宅で過ごす不登校の児童生徒を対象に、オンラインで学習支援や心のケアを行う「デジタル適応支援教室」を4月にも開設する方針を固めた。栃木県内初となる見通し。既に市内小中学生へ配布している1人1台のノート型パソコンを活用し、メタバース...

 

今の大人は信じられないと思うかもしれませんが

家で引きこもっているよりは

ネットの世界からでも勉強してくれている方が

ずっとずっと良いはずです。

 

わたしは将来は不登校の子が増えて

メタバースで登校することがメジャーになる…

そんな風にも考えています。

 

(5)柔軟な学級替えや転校等の対応

いじめや教員による体罰や暴言などの
不適切な言動や指導が不登校の原因となっている場合には
学校は問題の解決に真剣に取り組んだ上で
保護者や子どもと相談して
クラス替えや転校することができます。

「不登校児童生徒への支援の在り方について」(令和元年 10 月 25 日付け文部科学省初等中等 教育局長通知)https://www.mext.go.jp/content/1422155_001.pdf 5

 

あまり知られていないことなのですが

不登校になったときの作戦として

市内の別の学校に転校することができます。

ただし今回の通達にもあるように

学校が不適切なかかわりをしたのに

家庭が泣き寝入りするようなことがあってはなりません。

 

学校が真剣にとりくんだ上で

改善することができなかったときの

最後の手段としてのクラス替えや転校であるべきです。

 

 

(6)高等学校等の生徒等への支援

  • 電話・SNS 等を活用した相談事業
  • 新たに措置されるスクールカウンセラーやスクールソーシ ャルワーカーのオンラインを活用した支援のために配置(令和5年度より)
  • 児童生徒が進学や転校等をするときに「児童生徒理解・支援シート」等

を活用する。

転校をするときには必要な支援の内容などが
よそに漏れないよう注意しながら引きついで
次の進学先などでも適切な支援や配慮を行う必要がある

 

不登校というと小中学校がメインと思われがちです。

高校は義務教育ではないから

学校に行けないのではなく“行かない”のだ

という暗黙の前提があるからです。

これはそもそもおかしな話で

行けなくなった状態になっているにも関わらず

行けなくなった生徒に責任をおしつけています。

 

ところが、高校生にも不登校があることを認めて

これに手を打とうという方針です。

 

遅きに失した感はありますし

例として挙げている手段が

今のお子さんの世代にフィットするのか

怪しい面はありますが

社会的認知が変わることで

高校生の中退を減らせる可能性があります。

 

(7)中学校等での学び直しへの支援

不登校等で十分に授業を受けられないまま中学校等を卒業した人が、
改めて中学校等で学び直すことを希望するときは
一定の要件を満たせば夜間中学で学ぶことができるようになります。
また卒業時に夜間中学の意義や入学要件等について
生徒と保護者に説明してもらえます。

「義務教育修了者が中学校夜間学級への再入学を希望した場合の対応 に関する考え方について」(平成 27 年 7 月 30 日付け文部科学省初等中等教 育局初等中等教育企画課長通知)

不登校になり、家で過ごすことが当たり前になると

長期化していくことがあります。

 

そして社会から遠のいたまま年齢を重ねていく…

浦島太郎のようになってしまう。

しかし多くのケースで

このままではいけない

わかっているのに

行動できずに苦しんでいます。

 

また学校に行って勉強しなおしてみたい

そう思えたときに、学校に行きなおせるようなしくみが

世の中には必要です。

 

これまで夜間中学は

やや年配の方向けのイメージでしたが

今後はもう少し年齢層が若い人たちにも

使いやすくなるでしょう。

 

ただし夜間中学はまだ数が少ないため

お住まいの地域にあるか調べてみましょう。

 

 

不登校児童生徒の保護者への支援

不登校児童生徒を早期に支援のためにも

その保護者が一人で悩みを抱えないように

適切な情報や支援を得られるようにすることの

重要性も見直されています。

 

このため

  • 教育支援センターなどへの相談
  • 保護者の会をひらく
  • フリースクールなどや居場所などについて相談窓口をもうける
  • 必要な情報を整理して知らせる
  • コミュニティ・スクールのしくみや家庭教育支援チームなどの活用
  • スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが保護者を支援

こうしたとりくみが望ましいとされています。

 

 

 

福祉と教育の連携を強化する

 

地方の福祉を担う部署と、教育委員会の連携を強化する。

例えば

  • スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが先生向けの研修会を実施
  • 保護者向けの学習会等の開催

がアイデアとしてだされています。

 

 

学校の風土の「見える化」

 

学校の風土と欠席日数の関連を示す調査研究をもとに

学校の雰囲気を評価する試みが提案されています。

 

  • 児童生徒の授業への満足度
  • 教職員への信頼感
  • 学校生活への安心感

 

などの学校の風土や雰囲気を調べて

学校に関係する人たちで

安心して学べる学校づくりを進めることが記されています。

学校の風土等を把握するためのツールは文部科学省で

整理して示せるように検討中だそうです。

https://www.mext.go.jp/content/20230418-mxt_jidou02-000028870-cc.pdf

 

 

 

COCOLOプランは実現するのか

今回COCOLOプランが通達されたことには

大きな意義があると思いますが

実現するまでにどれくらい時間がかかるのか…

それは別で考えなければなりません。

 

 

 

モヤモヤなところ

正直なところ

「言われなくてももうやってるな」

と思うところもたくさんあります。

つまり焼き直しです。

たとえば

  • 先生向けの研修会の講師
  • 保護者の集い
  • 福祉と教育の連携

などです。

 

さらに「これはイマイチ」と思うものもあります。

 

それは 電話相談 です。

今どきのお子さんはなかなか電話相談はしません。

大人はともかく、

子どもにはLINEやchatサービスの方が良いでしょう。

 

 

 

期待したいところ

  • 特例校の増加
  • NPOとの連携
  • 校内適応指導教室の各校設置
  • ネットを利用した学習を要録上の出席として認める

新しかったり、重ねて伝えようとしている試みでもあります。

 

わたしが特に注目しているのは

  • 学校の風土の見える化
  • メタバース登校

です。

学校の「見える化」はこちらの記事で紹介している

プロソーシャルがぴったりはまります。

 

 

気になる言い回しも

 

この文書の全般にわたって言えるのですが

  • 「~が望ましい」
  • 「望まれる」
  • 「必要がある」

という接尾語です。

これはできない余地を残しているのです。

実際に実現できるかどうかは

各自治体によっても差が開くでしょうし

自治体に関心がなければ

「あんな通達来てたっけな…」

と絵に描いた餅になりかねない。

また現段階では

どれくらいの予算がつけられるのかわかりません。

しかし、一部の自治体ではすでに

メタバース空間を使った登校支援などは行われています。

 

予算や各地のとりくみが明らかになるにつれて

COCOLOプランの将来も見えてくるでしょう。

 

 

まとめ

今回は文部科学省から最近に通達された

COCOLOプランについてご紹介しました。

 

旧態依然としたものもあるし

新しい試みがなされそうな予感もあります。

 

もしかしたら、体は登校せずに

オンライン上で登校なんてこともあるかもしれません。

そしたら「不登校」なんて言葉はなくなり

色々なところで学べるようになるかもしれません。

 

そんな未来を想像するだけでもわくわくしませんか?

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