“校内”適応指導教室の8つのメリットと2つのデメリット

不登校支援

こんにちは ツナカンです。

 

ふだんは心理師として

不登校のお子さん

子育てに悩む親ごさん

学校の先生の応援をしています。

 

 

最近になって

 

”校内”適応指導教室

 

をネットで目にすることがふえました。

日本教育新聞2022年2月28日「不登校支援 校内教育センター設置など提案、協力者会議」

 

適応指導教室って学校じゃないところにあるんじゃないの!?

 

そうなのです、それをあえて

学校のなかに作ることで

学校に行けるけど教室には入れない

 

そんなお子さんが

少しでも学校に来られるようするためのとりくみです。

 

今回は

 

″校内”適応指導教室について

 

ふつうの適応指導教室のカウンセラーから見て

メリット・デメリットをお伝えします。

 

この記事を読んでもらうと

 

こんなことがわかります。

 

  • 校内適応指導とはなにか
  • 校内適応指導教室メリット・デメリット

 

 

  • 適応指導教室が学校のなかにある
  • 学校に早めに戻りたいなら有効
  • 学校に近いことのメリット・デメリットは考えるべし

 

 

 

 

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“校内”適応指導教室の8つのメリットと2つのデメリット

 

 

校内適応指導教室は学校のなかにあるフリースクールです。

 

呼び名は

  • 校内適応指導教室
  • 校内教育支援センター
  • 校内フリースクール

 

など、いくつかあるようですが

この記事では「校内適応指導教室」とよぶことにします。

 

そもそも

 

適応指導教室ってなに!?

 

という方もいると思います。

 

フリースクールはNPOなどが設立していることが多く

適応指導教室は、教育委員会などの行政が作っています。

 

文部科学省は教育支援センター(適応指導教室)の目的について

 

「センター(適応指導教室)は,不登校児童生徒の集団生活への適応,情緒の安定,基礎学 力の補充,基本的生活習慣の改善等のための相談・指導(学習指導を含む。 以下同じ。)を行うことにより,その社会的自立に資することを基本とする。」

文部科学省 教育支援センター整備指針(試案)

 

としています。

 

 

とにかく、学校に行けなくても

 

安心して勉強したり、生活したりできるところです。

 

これを学校のなかに作ろうということです。

 

それぞれにちがいはあるでしょうが

中身はこんな感じです。

 

  • 教育相談担当教員などが担当している
  • 人の行き来が少ないところにある
  • 遅刻や早退についてきびしくいわれない
  • 自主学習スタイル
  • 必要に応じて職員から課題が出される
  • 自由な活動

 

かなりゆるい感じですね。

 

わたしが働いている、ふつうの適応指導教室と

同じような感じみたいです。

 

 

学校でこんな生活してていいの!?

 

そんな風に思うかもしれませんね。

 

これが、ゆるすぎて不安になる

居心地の悪さを感じる子もいれば

なれてしまって抜け出すのに苦労する子もいます。

 

でも適応指導教室はだいたいこんな感じです。

 

 

メリット・デメリット

 

ここでは、学校の外にある、いわゆる

ふつうの適応指導教室と比べたときの

メリット・デメリットをお伝えします。

 

 

メリット

 

メリットは以下のとおりです。

 

  1. 要録上も、出席簿も出席になる
  2. それぞれにあわせて支援される
  3. ネット依存を防止できる
  4. 保護者の負担が少ない
  5. 教室に入れなくなっても友だちとつながれる
  6. 教員の負担も少ない
  7. 物理的なアクセスがいい
  8. カウンセリングルームといっしょに使える

 

 

 

①要録上も、出席簿も出席になる

出席簿はとにかく学校に来ることが条件です。

 

ですから、学校ではないところにある“ふつうの適応指導教室”

の場合は、出席簿は欠席あつかいになってしまいます。

 

入試などで評価される指導要録上は出席になります。

 

 

 

 

②それぞれにあわせて支援される

それぞれのペースやレベルにあわせて

勉強を教えてもらえたり

やるべきことを応援してもらえることで

不登校によって失っていた

勉強のチャンスをまたつかむことにつながります。

 

わたしの勤める適応指導教室では

知っている範囲だけでも

自分にあったペースやレベルで勉強したことで

成績が100点以上伸びた子も数人はいます。

 

それぞれのペースにあっていることは

それほどに効果的なのです。

 

こうした対応をしてもらえることも期待できそうです。

 

 

 

③ネット依存を防止できる

家にいて、ネットがつながれば

それだけでネット依存になる確率はかなり高まります。

 

しかし、教室に入れなくても

校内の適応指導教室にきているだけでも

ゲームから離れることはできますから

ネット依存の防止になります。

 

また適応指導教室では

 

教育上の責任は学校にある

 

と考えているところもあります。

 

そういったところでは、適応指導教室に来なくなっても

ムリさそい出すようなこともしません。

 

立場の上でも、しつこくさそった結果

かえって適応指導教室に来にくくなるからかもしれません。

でも校内適応指導教室では校内の連携もスムーズです。

 

もしも通室しなくなってしまっても

外部の適応指導教室よりも積極的に家庭訪問などを

してくれるかもしれません。

 

こうしたかかわり方をしてくれるなら

ゲーム依存にもなりにくいでしょう。

 

 

 

④保護者の負担が外部の適応指導教室より少ない

 

適応指導教室が学校のなかにあることで

外部の適応指導教室に通うよりも

親の負担は軽くてすみます。

 

ほとんどの適応指導教室では

親が送迎や弁当の用意をしなければいけません。

でも校内の適応指導教室であれば

学校への送迎ですむし

なれてきたら一人で通えるようにもなるでしょう。

 

また給食が食べられるので

弁当も作らずにすみます。

 

親の負担がわりと少ないのも

校内適応指導教室のメリットでしょう。

 

⑤教室に入れなくなっても友だちとつながれる

学校に行けなくなったお子さんにとって

友だちとのつながりは大切です。

 

友だちがいたのに、適応指導教室に行くことで

縁がうすくなってしまうこともあります。

 

初めは生活の場をかえるだけのつもりが

同じ経験を共有できないと

ますます縁がうすくなってしまうのです。

 

ですから、友だちと体験を共有できることが大切なのです。

 

そこにあって、校内適応指導教室であれば

友だちはすぐ近くにいるし

自分が参加できそうな行事には

すぐに参加することもできます。

 

また、友だちも休み時間などに

遊びに来てくれたりもします。

こんな風に、友だちとのアクセスが良いのも

校内適応指導教室の大きなメリットです。

 

 

 

⑥教員の負担も少ない

 

教員の負担が少ないというと

 

仕事で楽しようとするな!

 

という人もいますが

楽ならば、教師にとっても生徒にとっても

良いコンディションで会えるということです。

 

ですから、サボりではなくベターなのです。

では具体的にはどうなのかというと

外にある適応指導教室だと

わざわざ授業の合間をぬって

事故に気をつけながら運転して

生徒のために会いに出向かねばなりません。

 

それだけでも熱意を見せているとも言えるでしょうが

それだけの時間を作るのは

先生にとってはカンタンなことではありません。

 

この時間的・心理的な負担を減らせれば

よいコンディションの先生と

多くふれあえるチャンスにもなるのです。

ですから、適応指導教室が学校のなかにあって

先生の負担を減らすことは

生徒にとっても良いことです。

 

 

 

⑦物理的なアクセスがいい

 

もともとは学校に行けていた子にとっては

行きなれた道を通えば良いので

その分のハードルは低いでしょう。

しかし外の適応指導教室を使うとなると

新しい道を覚えたり

通い方を変えたりしなければなりません。

 

通う側にとっても

校内に教室とはちがう居場所があるのは

大きなメリットがあるでしょう。

 

 

 

⑧カウンセリングルームとの併用ができる

 

学校にはカウンセリングルームがあります。

そしてときどきスクールカウンセラーも来ます。

 

スクールカウンセラーに話をしやすくなる環境でしょうし

もしも校内の適応指導教室のいごこちが悪くても

スクールカウンセラーがいないときは

カウンセリングルームにいさせてもらうことも

できるかもしれません。

こんな風にカウンセリングルームに近いのも

校内の適応指導教室のメリットと言えるでしょう。

 

 

 

デメリット

外部の適応指導教室にもデメリットがあるように

校内の適応指導教室にもデメリットがあります。

 

今すでにある校内適応指導教室の

細かいところはわからないのですが

わたしは学生のころ

校内で教室に入れない子たちの応援をしていました。

 

今となっては昔話になってしまいましたが

そのころの経験と

今、外の適応指導教室で働いている経験をふまえて

デメリットを紹介します。

 

 

  • 人目がある
  • 教室にさそわれがち

 

 

①人目がある

 

あたりまえのことですが

外部の適応指導教室にくらべると

先生・生徒からの人目があります。

 

教室に入れないことは

後ろめたい思いになりますので

コソコソと入らねばならないのです。

わたしの経験では

休み時間は人目が少ないので

その時間帯に登校し

下校の前に帰る子が多かったです。

 

おそらくは校内の適応指導教室でも

そのような気配りはしてくれるでしょう。

 

 

 

②教室にさそわれがち

 

先生や生徒から

教室にさそわれがちです。

 

教室に近い分、気分が乗らないときでも

さそわれやすいのです。

 

教室に入れないお子さんにとっては

これがとても辛いようです。

たいていは先生が教室にクラスメートにたのんで

声をかけてもらっているようでした。

 

また、さそいに来るクラスメートからすれば

いつも教室に行くのをことわられていれば

あいそうも尽かせたくなります。

特別あつかいをいつまでもしてはくれません。

 

このようなことを防ぐには

担任の先生が、教室に入れない子を

どれだけ細かく理解してくれているかに左右されます。

 

校内適応指導教室を使うときには

どのくらいのコンタクトならOKなのか

よく話し合っておきましょう。

適応指導教室といっても学校のなかにある以上は

学校であることには変わりありません。

 

 

 

まとめ

 

今回は

 

校内適応指導教室のメリット・デメリット

 

について解説しました。

 

デメリットを知ったうえでうまく使えれば

外部の適応指導教室よりも

かなり使いがってが良いものになります。

 

もしかすると、親からすれば

外の適応指導教室よりも

校内の適応指導教室を使ってほしいと

思うかもしれませんね。

 

また学校によってもいろいろとちがいがあるでしょうから

もしも使おうと思ったときには

学校とよく相談しましょう。

 

校内適応指導教室については

お伝えしたいことがまだまだありますので

これからも記事にし続けていきたいと思います。

 

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