公認心理師のツナカンです。
ふだんは不登校のお子さん
子育てに悩む親ごさん
学校の先生を
応援しています。
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今,学校に行けなくなって,精神科に通院しているのですが
主治医に『自分は起立性調節障害じゃないか』と聞いたところ
「それはちがう,概日リズム障害だと思う」と言われました。
信頼している主治医だし
お医者さんの言うことなのでそう思う他ないのですが
ネットで自分なりに調べてみて
起立性調節障害の症状にぴったりだったので
ほんとうのところ納得はしていません。
わたしはこんなふうになった理由が知りたくて
ずっと「病名が欲しい」と思っていました。
『自分はダメな人間なのではないか』と思っていたときに
起立性調節障害という病名を知って
『自分は病気のせいで起きられないだけで、なまけているわけじゃないんだ』
そう思えたのです。
だから,主治医から『概日リズム障害』
と言われた時
『やっぱり自分は,ただ生活リズムが狂っているだけなのか…
やっぱりダメな人間なのか…』
とも思ってしまいました。
だから,まだ自分の中では『起立性調節障害なのではないか』
と思いたいんです。
こんな相談を受けることがあります。
わたしの結論をいってしまうと
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どんな名前がつくかよりも
今から,どう変えていくかを考える方が大切でしょう。
ということになります。
今回は
医者の見立てにナットクいかないときの対処法
について解説します。
- 診断名のメリットとデメリットを考える必要がある
- 名前にこだわるよりも,変えていくことがたいせつ
- セカンドオピニオンをうけることにもメリットはある
【納得いかない】医者とくいちがうときの対処法3つ
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うちの子は発達障害だと思うんです。
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わたしは起立性調節障害だと思うんです。
ひとは苦しいとき,その原因や理由を見つけたくなるものです。
そういうわたしにも,そういう時がありましたし
そのために病院にかようこともあります。
でも
診断をつけるのはお医者さんにしかできない仕事
なのです。
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そんなことはわかってるけど
自分が思っているのと,ちがうときには
どうしたらいい?
そんな方に伝えたいのは3つの方法です。
- 診断をもらうことのメリットとデメリットを考える
- 変えられるところを変える
- セカンドオピニオン
【対処法①】診断をもらうことのメリットとデメリットを考える
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診断名が欲しいのにメリットとデメリット?
メリットしかないんじゃないの?
そんな風に考えていると
さらに苦しくなってしまうかもしれません。
診断名をもらうことのメリット
先にお伝えしておくと
メリットがひきだせなかったり
メリットをうけるつもりがないのであれば
診断名にこだわることはムダになってしまいます。
①合理的配慮をしてもらえる
ちょっとむずかしい表現かもしれませんが
合理的配慮の中身とは
ハンデのある人への特別なサービス
のことで,学校では
- 特別支援クラスや少数学級に入れる
- 支援員がサポートしてくれる
- 課題の量や質をその人のレベルに合わせてくれる
などです。
②薬で治療ができる
今のところADHDでは服薬で良くなることがわかっていますが
自閉症スペクトラムや,学習障害などでは
生きにくさからくる症状(うつ,不安など)でもなければ
薬で良くなることはありません。
ですので,自閉症スペクトラムや学習障害のばあいは
合理的配慮をしてもらうことになるでしょう。
③周りの人に説明できる
周りの人にうちとけられないとか
周りの人から変な目で見られてしまう
そんなときは,自分が気づかないうちに
その場にあっていないことをしてしまっていることがあります。
でも,どうしても変えることができないときに
「わたしは~という病気だってお医者さんから言われているから」
と説明することができるようになります。
わかってもらえるかどうかは,周りの人しだいではありますが
説明することでわかってもらえることもあります。
④気持ちが楽になる
診断名がつくことで
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自分におきていることの
原因がわかったような感じがして
気持ちが楽になりました
という人もいます。
ばく然としていたものにラベルがつくと
少し,はなれたところから見られるようになります。
診断名をもらうことのデメリット
診断名をもらったからといって
いいことばかりではありません。
- 偏見
- 病名にしばられる
①偏見
ラベルがつくことでかえって偏見になることもあります。
例えば
「ADHD=暴れん坊」
「自閉症スペクトラム=変わってる人」
のような,かたよった見方をされることもあります。
また,医者からの診断名であったとしても
その病気についてきちんとわかってもらえず
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自分を特別に見てほしいからって…
という人だっています。
ここまで,いじわるでなくても
地方のお年寄りの方の中には
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それは甘えだっぺ
と考えている人もすくなくはないのです。
さらに,他の人に大きな迷惑をかけていたりすると
診断名がついたとしても
今までやってきたことが水に流されるわけではありません。
とくに人との付き合い方が不器用なお子さんなどでは
診断が下りてからもさけられたり
親をまきこんで,問題が大きくなることもあります。
ですから,ラベルが偏見になることもあるのです。
②生き方が病気にしばられる
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病気にしばられる?よくわかんないよ。
ある日,学校をさぼりたくて
むりやり風邪をひこうとしたり
体温計の体温を上げようとしたことはありませんか?
または,親が
「今日はカゼということにして休んでいいよ」
などと許しをえて休んだことはありませんか?
すると,
その日は熱があるふりをしてすごさなければならなくなったり
家の中だけですごさなければいけなかったり…
そんな風に,つじつまがあうように
すごさなければならなくなります。
同じように,診断名にこだわることで
自分のコンディションに名前がつくのではなく
名前に自分をあわせるようになっていきます。
例えば,
「HSPだから,人の顔色にビンカン」
※ HSPは疾病としてみとめられていません。
のように考えはじめると
もしかしたら,ほかのの原因かもしれないこと
もしかしたら克服できることかもしれないこと
これを解決するのをあきらめてしまいます。
これを 認知的フュージョン と呼びます。
ラベルは必ずしもコンディションの全てを
あらわしてはくれません。
ラベルをつけることで自分の可能性を
とざしてしまうことにもなるのです。
【対処法②】変えられるところを変える
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診断名をつけることの
メリットもデメリットもわかったよ。
じゃあどうすればいいの?
そんな人は
今から変えられるところがないかを探してみましょう。
例えば
- 生活習慣をととのえる
- 新しいことにチャレンジする
- 場所を変える
など
これまでに
- 過敏性腸症候群
- 起立性調節障害
などの診断をうけたお子さんが
適応指導教室にくるようになって
良くなっていくのを見たことがあります。
そうしたお子さんたちは生活のリズムがくずれているようでした。
生活のリズムがととのわないから,体調が悪くなるのか
体調が悪くなるから生活のリズムがくずれるのかはわかりません。
しかし,適応指導教室に行こうとしているうちに
だんだん良くなっていったのだと思います。
原因さがしは,研究者にまかせて
まずは自分ができることから手をつけているうちに
だんだん良くなっていくことは少なくないはず。
【対処法③】セカンドオピニオン
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それでもどうしても,わたしは自分が思うような診断名がほしい!
というのであれば
セカンドオピニオンをうけても良いでしょう。
セカンドオピニオンとは
今治療をうけている医者とは
ちがう医者にみてもらうことです。
そのためには,今治療をうけている医者から
紹介してもらうのが一番スムーズです。
わたしも,ずっと治らないと思っていた病気が
セカンドオピニオンをうけることで
だいぶ良くなったことがあります。
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それだと今の主治医が気を悪くしないかなぁ?
内心はわかりませんが
ほとんどの医者がたんたんと進めてくれるでしょう。
でも自分がナットクできる診断名をもらうためだけに
セカンドオピニオンをうけるというのは
ズレていることは知っておいてほしいところです。
もともとは,よりふさわしい治療をうけるために
セカンドオピニオンはうけるべきなのです。
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でも,なかなか自分から言い出せないんだよなぁ…
そういう風に思う人もいるでしょう。
そんなときには
- 勇気をふりしぼる
- 「~に言われたから」と伝える
という方法があります。
セカンドオピニオンは
患者の権利として認められているとわかっていても
なかなか言い出しにくいものです。
ですから,
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~にセカンドオピニオンをうけてくるように言われたんです
というのもアリです。
ただ、ウソにならないように
同意してくれる人を見つけるようにしましょう。
セカンドオピニオンは医者としても
独りよがりにならずにすむメリットだってあるはずですから。
まとめ
今回は
医者の診断にナットクいかないときの対処法
についてお伝えしました。
結論は
どんな名前がつくかよりも現状を変えていく方が大切
です。
名前をつくことで楽になることもありますが
それは特効薬ではありません。
自分がもっと生きやすくするために
行動や生活をかえることが
もっと近道です。
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