【お子さん向け】適応指導教室ってどんなところ?

不登校支援

こんにちは

 

公認心理師のツナカンです。

 

ふだんは,教育支援センター(適応指導教室)で

 

カウンセラーとして

 

不登校のお子さん

 

子育てに悩む親ごさん

 

学校の先生に

 

こころの面からお手伝いしています。

 

 

適応指導教室にいくことになったけど

 

どうやってなじめばいいの?

 

適応指導教室ってどんな子がいるところなの?

 

 

こんな風に

 

学校で辛い目にあったあとに

 

新しいところに行かねばならない時には

 

不安になったり,怖くなったりするでしょう。

 

そんな不安や,怖さを少しでも軽くするために

 

適応指導教室のなじみ方

 

についてお伝えします。

 

この記事を読んでもらえれば

 

適応指導教室に行くことに決めた子が

 

初日にどんな風にすればよいのか

 

通い続けるにはどうすればいいのか

 

がわかります。

 

ただし,わたしが働いている

 

適応指導教室での例ですので

 

他のところでは,ちがうこともあると思いますので

 

その点はわかっておいてください。

 

 

  • 通室生は不登校の子がほとんど
  • 人付き合いが苦手な子も,得意な子もいる
  • 自己紹介などはできる範囲で
  • 通えない子もいる

 

 

 

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適応指導教室ってどんなところ?

 

適応指導教室に行くことにしたとしても

 

初めての時や

 

通いはじめは

 

きっと緊張することでしょう。

 

でも,ほとんどの適応指導教室が

 

学校よりもずっと通いやすい場所になっているはずです。

 

この記事を読んでもらえれば

 

想像しやすくなるでしょう。

 

 

どんな子がいるの?

 

適応指導教室は

 

学校に通いたくても通えない

 

または

 

学校に通いたくないけど居場所が欲しい

 

そんなお子さんが多く集まる所です。

 

それぞれに事情があるので

 

ひとくくりにはできませんが

 

こんなタイプのお子さんが多いです。

 

  • たくさんの人と関わるのが苦手
  • 不信感が強い
  • 人付き合いが不器用
  • テンションの波がある

 

これを見て,もしかしたら

 

「ちょっとクセがありそうだな…」

 

なんて,不安になったかもしれませんが

 

お互いに変にかかわりあうこともないし

 

陰で悪口を言い合ったりするようなことを

 

聞いたことはありません。

 

 

 

それぞれのペースでのびのびとやっているので

 

ちょっとくらいクセはあっても

 

大きなトラブルになったのは

 

見たことがありません。

 

そして,お互いにちょっとずつ慣れてくると

 

仲良くなってしまいます。

 

 

 

初めての日の自己紹介

 

 

最初の日に

 

『〇〇ちゃんだよ』なんて紹介されたり

 

するんですか?

 

 

 

恥ずかしいし

 

嫌な目で見られたりしたら

 

どうしよう…

 

ほかの適応指導教室でどうしているのか

 

わかりませんが

 

わたしが働いているところでは

 

決まりきったやり方はありません。

 

それでも,こんなパターンで

 

他の子に会ってもらっています。

 

  • 仲立ちする
  • 新しい子がいることだけを知らせる
  • 遊びや行事などで引き合わせる
  • 勉強しているときに入る

 

もう少し細かく説明します。

 

 

 

 

①仲立ちする

一番多いのがこのパターンです。

 

職員が間に入って

 

「~さんです」

 

と,お互いに自己紹介してもらいます。

 

学校のように,子どもたちが何十人も

 

まとめてそろうことは,ほとんどないので

 

一人ずつ引き合わせます。

 

仲良しグループみたいなものも

 

なくはないのですが

 

学年や性別をこえて

 

みんな仲良く過ごしていることが多いです。

 

 

 

②新しい子がいることだけを知らせる

人によっては

 

他の人と交流するのが苦手だという人もいます。

 

また,不信感がぬぐえない人もいます。

 

だからムリに引き合わせないこともあります。

 

ただ,先に通っている子たちには

 

新しい子が来ていることは知らせておきます。

 

そうでなければ

 

「知らない人がいる!」

 

ということになって

 

後でぎくしゃくしてしまうかもしれません。

 

 

 

③遊びや行事などで引き合わせる

遊びや,行事などのときに

 

引き合わせることもあります。

 

勉強のときはお互いに

 

緊張していたりするので

 

リラックスしている時や

 

一緒に何かの作業をするときの方が

 

仲間になりやすいからです。

 

 

 

④勉強しているときに入る

適応指導教室は少ない人数で

 

勉強をしているので

 

逆に勉強している時の方が

 

静かな気分になっていることもあります。

 

そんな時に,ちょっとだけあいさつをして

 

休憩のときに,話をしたり

 

遊んだりしながら仲良くなることもあります。

 

だいたいこんな感じで

 

距離を縮めていきますが

 

どんな方法であっても

 

適応指導教室になじみやすいように

 

気配りをします。

 

「自己紹介したくない」

 

と言われれば勧めることはあっても

 

ムリにさせたりはしません。

 

 

 

適応指導教室でも,なじめない子はいるの?

先に書いたように

 

適応指導教室に通ってくるのは

 

いろいろなタイプのお子さんです。

 

人見知りで,そっけない子もいます。

 

それでも,通い続けているということは

 

その子にとっての居場所なのです。

 

だけど,残念なことに

 

適応指導教室になじめない子もいます。

 

適応指導教室になじめない理由には

 

こんなものがあります。

 

  • 雰囲気が好きじゃない
  • スタッフが好きじゃない
  • 学校に行くようにすすめられた
  • 場所が遠い
  • 生活の乱れがひどくなった
  • そもそも来たくなかった

 

これについても

 

もう少し詳しく説明します。

 

 

 

①雰囲気が好きじゃない

初めは慣れなかった子同士も

 

仲良くなってくると

 

にぎやかになってきます。

 

それがいやだという子は

 

けっこういます。

 

それが学校にいた時の

 

いやなできごとと結びついている

 

と話す子もいるし

 

もともと音にちょっと敏感で

 

騒がしいところがイヤだ

 

という子もいます。

 

こういう時には

 

「雰囲気がいやだ」

 

と言われることもあります。

 

 

 

②スタッフが好きじゃない

こういうことはあまり多くないですし

 

あったとしても

 

表立って言われることは多くありません。

 

でも,スタッフに言われた一言だったり

 

かもし出す雰囲気がイヤだと思うことはあるようです。

 

しかし,スタッフも一人だけではありませんから

 

一人がダメでも,代わりになるだれかはいますので

 

それで通い続けられるようです。

 

 

 

③学校に行くようにすすめられた

適応指導教室の目的のひとつは

 

学校に行けるようになることでもあります。

 

ですから,少なくとも一度くらいは

 

学校に行くことをススメられるでしょう。

 

しかし,それがお子さんのタイミングと合っていないと

 

 

学校に行けないから来ているのに

 

『学校に行け』

 

なんてひどい!

 

 

ということになるのです。

 

これは,スタッフ側の判断ミスですし

 

わたしにもそういう経験はあります。

 

だから,学校に行けないのであれば

 

正直にその気持ちを伝えれば

 

スタッフもしつこくススメたりはしません。

 

 

 

④ 場所が遠い

適応指導教室は,ほとんどの市町村で

 

一つくらいしかありません。

 

ですから,大きな市町村で

 

電車やバスが通らないようなところにあると

 

なかなか通えないこともあります。

 

そんな時は,家族や親せきに頼るしかないのですが

 

都合がつかないことが増えたりすると

 

適応指導教室に通えなくなってしまうことがあります。

 

そういう場合は,もう少し近い

 

フリースクールに切りかえることもあるようです。

 

 

 

⑤生活の乱れがひどくなった

適応指導教室は良くも悪くも

 

あまりムリをさせません。

 

マイペースで通えることを大切にしています。

 

それが悪く働くこともあって

 

「ゆっくり行けばいいや」

「今日は休んでもいいや」

 

となっていき

 

せっかく通い始めたのに

 

どんどん生活が乱れてしまいます。

 

これは,

 

気持ちを入れかえれば変わる!

 

というものではありません。

 

適応指導教室に通うことにしたなら

 

家の生活もそれに合わせて変えなければいけません。

 

そのためには,子どもだけではなく

 

親ごさんにも協力してもらわなければいけません。

 

ルールを決めたなら,子どもも親も守らなければいけないし

 

ルールや生活を乱す原因となるようなものは

 

遠ざける必要も出てきます。

 

 

 

⑥そもそも来たくなかった

適応指導教室に行きたくなかったのに

 

親に言われたからしぶしぶ来ている…

 

そういうケースでは

 

一時,来ていたとしても

 

長く続かないことがあります。

 

それでも適応指導教室では,お子さんが居心地よく

 

前向きになれるように

 

最大限の努力はするでしょうが

 

やはり親の意見だけで通室させられても

 

お子さんは来なくなってしまうでしょう。

 

これらの意見は,スタッフである

 

わたしの目から見た理由ですから

 

おそらく,その子が話していない理由や

 

知らされていない理由もあるでしょう。

 

できるだけていねいに関わっているつもりでも

 

カンペキにはなれないのが本当のところです。

 

 

 

初めはドキドキしたけれど…

 

1年の二学期から学校にいけなくなりました。

 

保健室登校もしてみたけど

 

やっぱりクラスの子がときどき来たりすると

 

「クラスに入れ」って言われてるみたいで

 

保健室に行くのも辛くなりました。

 

 

 

そのうち,学校に行くことも辛くなって…

 

それを先生に相談したら

 

適応指導教室を勧められました。

 

ボクは,人があんまり好きじゃないし

 

たくさんの人がいるのも好きじゃないから

 

それもいいかな,と思ったりしたけど

 

新しいところに行くのも緊張する…

 

心配でした。

 

 

 

でも,最初にお母さんが適応指導教室で相談して

 

その後,ボクも見学に行きました。

 

 

 

学校みたいにさわがしくないし

 

人も少ないみたいだし

 

勉強もスタッフさんが見てくれるってことが

 

わかりました。

 

だから,思い切って行くことにしました。

 

 

 

最初の日,スタッフさんにうまく自分の気持ちが伝えられず

 

「自己紹介どうする?」

 

って聞かれてだまってました。

 

そしたら

 

「じゃあムリしないで少しずつ慣れようね。」

 

って言ってくれたので安心しました。

 

 

 

それから1週間くらいは

 

みんなとは別の部屋で過ごしてたし

 

みんなに会いにくい時間に通ってました。

 

そうしていたら,スタッフさんが

 

「あいさつにチャレンジしてみない?」

 

って言われたので

 

「一人ずつならできるかも」

 

って答えました。

 

 

 

それから一人ずつ,来てる子にあいさつしました。

 

お互いに緊張してたけど

 

休み時間に,スタッフさんと一緒に

 

みんなと遊び始めたら

 

だんだん慣れてきて

 

好きなことの話とかもできるようになりました。

 

 

 

お互いに学校に行けない同士だったから

 

「なんで学校行かないの!?」

 

なんて言われないんです。

 

今は楽しくなって,毎日通ってます。

 

・・・・・・・・・・・・

 

こんな子は多いです。

 

実際に適応指導教室に通っている子から

 

聞いた話をまとめた記事もあるので

 

良ければ読んでみて下さい。

【体験談】適応指導教室はどんなところか子どもたちに聞いてみた

 

 

 

まとめ

 

今回は

 

適応指導教室のなじみ方

 

についてご紹介しました。

 

学校に行けなくなっても

 

せっかく新しい場所でやり直そうとしているのに

 

誤解や不安で行き場をなくすのは辛いことです。

 

適応指導教室は,きっと新しい居場所になると思います。

 

この記事が適応指導教室について

 

不安があるお子さんのお役に立てばうれしいです。

 

 

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