「きっと悪くなる」そんなばくぜんとした不安に応える本

マインドフルネス

公認心理師のツナカンです。

 

ふだんは不登校のお子さんや

 

子育てに悩む親ごさん

 

学校の先生を

 

心の面からお手伝いしています。

 

 

子育てに悩む親ごさんの相談に乗っていると

 

 

子どもが勉強をしないので心配です

 

とか

 

 

このままじゃ子どもが引きこもりになってしまうんじゃないかと,心配です。

 

こんな声が聞かれます。

 

 

 

見通しがつかないとそういう気持ちになるでしょうし

 

心配は, ばくぜんと大きくなっていきます。

 

 

いきなりですが,ここで三択クイズです。

 

 

 

Q1.不登校になったら高校に進学しにくくなる?

 

A.しにくくなる B.しにくくならない C.進学しなくなる

 

 

 

Q2.不登校を経験すると引きこもりになりやすい?

 

A.なりやすい B.なりにくい C.関係ない

 

 

 

Q3.中学校で不登校を経験すると,高校も中退しやすくなる?

 

A.なる B.ならない C.わからない

 

 

 

Q4.不登校を経験した人がニートになった割合は?

 

A.約60% B.約50% C.約40%

 

 

 

Q5.不登校を経験した人と,していない人を比べた場合,経験した人の生活の充実度は下がる?

 

A.上がる  B.変わらない  C.下がる

 

 

 

ここからは,

 

不登校や引きこもりに

 

ばくぜんとした心配がある親ごさんに向けて

 

心配を軽くしてくれる本を紹介します。

 

この記事では,その本の一部の紹介しかできませんが

 

その本は,ばくぜんとした不安について

 

どんなふうに向き合えばよいのかを教えてくれます。

 

 

 

 

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「きっと悪くなる」そんなばくぜんとした不安に応える本

 

 

今回ご紹介したい本は

 


ファクトフルネス

 

という本です。

 

本書の中から,またクイズを引用します。

 

 

 

Q1.世界の人口のうち,極度の貧困にある人の割合は過去20年でどう変わったでしょう

 

A.約2倍  B.あまり変わっていない C.半分になった

 

 

 

Q2.15歳未満の子どもは国連の予測で,2100年には約何人になるでしょう?(現在約15億人)

 

A.40億人 B.30億人 C.20億人

 

 

 

Q3.自然災害で毎年亡くなる人の数は,過去100年でどう変化したでしょう?

 

A.約2倍 B.あまり変わっていない C.半分以下

 

 

 

Q4.グローバルな機構専門家は,これからの100年で地球の平均気温はどうなると考えているでしょう?

 

A.温かくなる B.変わらない C.寒くなる

 

 

では答え合わせです。

Q1…C
Q2…C
Q3…C
Q4…A

 

いくつ正解することができたでしょうか。

 

当然のようにわかるものもあれば

 

 

そうだったの!?

 

 

 

と思うようなものもあったのではないでしょうか。

 

 

 

全て正解することができなくても

 

心配することはありません。

 

 

 

世界中のエリートが同じように

 

答えてしまう傾向があるからです。

 

 

 

そして,そんなエリートたちでさえも

 

なんとサルよりも正答率は低いというのです。

 

 

つまり,これらは世の中の常識だと思われていますが

 

事実とはちがっているのです。

 

これはWHOなどで

 

公式に発表されているにもかかわらず

 

単に情報を知らないために起きている

 

世界に対する誤解なのです。

 

 

 

 

世界の常識と事実はなぜちがってしまうのか

先に示した答えは

 

調べればすぐにわかるような

 

データにもとづいたものです。

 

しかし,多くのエリートでさえも

 

まちがえてしまいます。

 

そのような世界への誤解はどうして生まれるのか…

 

著者のハンス・ロスリングは

 

人の考え方について

 

本書でいくつもの指摘をしています。

 

その中から

 

不登校や引きこもりに関係しそうな指摘を

 

いくつかをご紹介します。

 

  • ネガティブ本能
  • 恐怖本能
  • パターン化本能
  • 犯人捜し本能
  • 焦り本能

 

 

 

 

①ネガティブ本能

人は,ものごとのポジティブな面よりも

 

ネガティブな面に注目しやすい傾向があります。

 

そして,ネガティブなニュースの方が

 

広まりやすいのです。

 

しかし,その解決策として

 

悪い面と,良い面の両立

 

があるとしています。

 

本書では「世界はどんどん悪くなっている」というように

 

グローバルでの視点で語っています。

 

 

これは,わたしが主に関わる

 

不登校の問題についても同じことが言えます。

 

ママ友同士のアドバイスによくあるのが

 

 

大丈夫,きっと良くなるよ

というもので

 

わたしと面接をする親ごさんの中には

 

 

ママ友には,そうはげまされてきたんですけど…

 

 

と言われている方も多いです。

 

しかし,残念なことに

 

これは,かける言葉が見つからない時に

 

決まりきったセリフのようなものです。

 

たしかに,たいていのお子さんは

 

学校に戻ったり,高校に行けるようになったり

 

何らかの形で社会に出られるようになっています。

 

だからといって

 

もちろん手放しで

 

「時間が解決するだろう」

 

と安心するのもまちがえています。

 

ですから,もし今,子育てで悩んでいるのであれば

 

状況の悪い面と,良い面の両方が両立することを

 

知っておくことは大切なことです。

 

 

 

②恐怖本能

これは

 

危険でないことを恐ろしいと考えてしまう本能です。

 

そして,この本能は

 

恐怖=危険

 

というあまりにも単純な発想に

 

つながっているとしています。

 

 

その対策として

  • 行動する前に落ちつくこと
  • 恐れる前に現実を見ること

などを教えてくれています。

 

本書では,戦争やテロ,化学物質を取り上げていますが

 

世界戦争は,歴史上これまにないくらい起きず

 

テロでの死亡者は心配する以上に少なく

 

化学物質にデメリットはあるけれど,メリットはそれを上回っている

 

という例をあげています。

 

 

 

③パターン化本能

「一つの例が全てに当てはまる」という思い込みです。

 

これは,偏見の有無や意識の高さとは関係なく

 

無意識にやってしまう考え方です。

 

生活に役立つはずのものも見方を歪めてしまいます。

 

そして,これが得意なのがメディアです。

 

少数のケースを取り上げて

 

さも,多くの人に当てはまるように見せるのです。

 

この対策として

  • パターン化されている分類を捉えなおすこと
  • 同じ集団内のちがいを探す
  • 強烈なイメージに注意する

という方法を提案しています。

 

 

例えば,不登校から引きこもりになる

 

というパターンを見ると

 

不登校のわが子を見て

 

「将来引きこもりになる」

 

と予感して,慌てて対応した結果

 

よけいに子どもとの関係を悪くさせてしまう

 

ということがあります。

 

しかし,不登校や引きこもりであっても

 

まったく学校や社会と接触がないかと言えば

 

そうでもないこともあります。

 

条件が整っていれば,外に出ることができたり

 

友だちと接触できていたりします。

 

このように,“不登校””引きこもり”というイメージに

 

ひとくくりで見てしまいがちですが

 

捉えなおすことによって

 

解決のヒントが見つかったり

 

あっけなく関わり方が変えられたりもするのです。

 

 

 

④犯人捜し本能

何か悪いことが起きた時に

 

単純明快(に思える)理由を見つけ

 

誰かを責めればものごとは解決する

 

とする考え方です。

 

この解決として

 

  • 誰(何)かが責められていることに気づくこと
  • 犯人捜しよりも原因探し(人ではなくシステム)

 

などをあげています。

 

 

この点には,わたしも実感を持っています。

 

不登校・引きこもりになると

 

「自分の育て方が悪かったのでしょうか…」

「妻(夫)の関わり方が悪い」

「先生が悪い」

「カウンセラーに相談しても役立たない」

 

などと

 

誰かのせいにする人は少なくありません。

 

基本的には,誰(何)か一つだけで

 

ものごとが起きることはありません。

 

そして,できることにも限界があります。

 

不登校・引きこもりは

 

誰かのせいにしても絶対に解決しません。

 

そんなことよりも

 

そのような状態になっている仕組みがあり

 

その仕組みはどのようなものなのか

 

何によってできているのかに注目して

 

「今から何がしていけるのか」

 

に注目すべきでしょう。

ですから

 

誰かのせいにされている(している)ということに気づき

 

犯人ではなく,“仕組み”に介入していく必要があるのです。

 

 

 

⑤焦り本能

“今やらないと,もう次はない”

 

そうあおられて,判断力が鈍くなっている状態です。

 

それによって批判的に考える力が失われて

 

あわててものごとを決めてしまうのです。

 

もちろん,ただ時間に任せていれば

 

解決できるというものではありませんが

 

「世界は確実に変わっているから焦らなくても大丈夫。リスクを正しく心配しましょう。」

 

それが著者の意見なのです。

 

感染症,世界大戦,地球の温暖化…

 

奇しくも,この本がだされた後に

 

新型コロナの流行があり

 

それによって,多くの人がなくなったり

 

生活が苦しい状況になっている人もいます。

 

しかし,世界規模でみれば

 

昔よりも対策は進み,そのスピードも上がっています。

 

著者は対策として

 

    • 深呼吸
    • データを見る
    • 占い師に注意する
    • 過激な対策に注意する

 

ということをあげています。

 

不登校におちいると,将来の引きこもりになる心配から

 

つい,やりすぎた対応をしてしまいがちです。

 

ムリに学校に行かせようと

 

力ずくで引っ張り出そうとしたり

「~しないと…だからね!」

 

と脅し口調になってしまったり…

 

それはもちろん悪意があることではありません。

 

親も追いつめられているのです。

 

何に追いつめられているのかと言えば

 

この “焦り本能” なのです。

 

 

シンプルな対策かもしれませんが

 

焦りが大きくなり過ぎないように

 

深呼吸をし

 

そしてデータを見てみる。

 

そうすることで前向きな対応ができるでしょう。

 

 

一部のデータについては

 

次のクイズの回答を見ていただければわかります。

 

 

 

 

不登校・ひきこもりについてのクイズの答え合わせ

では、最初に出した

 

不登校や引きこもりについての

 

クイズの答え合わせです。

 

 

 

Q1.不登校になったら高校に進学しにくくなる?

 

87.2%(ならない)

 

中学校で不登校を経験したとしても

 

かなりの確率で高校から

 

学校に復帰することがわかります。

 

 

 

Q2.不登校を経験すると引きこもりになりやすい?

 

48.2%(なりやすい)

 

不登校を経験してから

 

ひきこもりになった人は半数に満たないようです。

 

 

 

 

Q3.中学校で不登校を経験すると,高校も中退しやすくなる?

 

18.7%(ならない)

 

 

たしかに不登校を経験している人と

 

していない人を比べると

 

9倍のリスクはあるように見えますが

 

全体比率からいうと

 

大多数の人が中退はしないようです。

 

 

 

Q4.不登校を経験した人がニートになった割合は?

 

37.3%(約40%)

 

 

たしかに4倍くらいのリスクがありますが

 

不登校だからといってニートになるとは言えなさそうです。

 

 

 

Q5.不登校を経験すると生活の充実度は下がる?

 

あまりかわらない

不登校を経験していない人と比べると

 

やや低くはなりますが

 

大きな差はなさそうです。

 

 

内閣府(2019)子供・若者の意識に関する調査

文部科学省(2016)不登校に関する実態調査報告書

 

 

このようにきちんとした情報を知ることで

 

むやみに心配したり

 

不安になることから

 

気持ちの距離をとれるようになるのです。

そのためには知識をとりいれることが

 

一番大切なことなのです。

 

とはいっても

 

新しく知識をとりいれるにも

 

いくつものハードルがあるのも確かです。

 

 

 

“聴く読書”で悩み方はカンタンに変えられる

ここまで読んで頂いて

 

 

良い本だってことはわかったけど、読書する時間がないんだよなぁ

 

 

読書っていまいち苦手なんだよなぁ

 

という方もいるでしょう。

 

せっかく興味を持ったのに

 

知ることをやめてしまうのは

 

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知識とはメガネのようなもので

 

どんなメガネをかけるかによって

 

世界の見え方は変わります。

あやまったメガネをかけ続けていれば

 

大切な人生をイヤな気分で過ごす時間が増え

 

お子さんとの関わりをまちがえ続けて

 

生きていくことになるわけです。

 

でも,読書はメガネの種類を増やしてくれます。

 

気分に合わせてメガネを選ぶように

 

その日の気分や,シチュエーションに合わせて

 

知識を新しくすることもできるし

 

世界を変えることもできるのです。

 

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耳と,ちょっとした時間があれば

 

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ビジネス書は一冊当たり1000円前後はします。

 

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無料のままです。

 

もちろん,わたしも使っています。

 

ただし,無料の期間は限られていますので

 

ご興味を持たれたら急いだほうが良いでしょう。

 

今回紹介した

 

ファクトフルネス も

 

アマゾンオーディブルで無料で聴くことができます。

 

blog内でご紹介できなかった

 

役に立つ考え方

 

気持ちを軽くしてくれるような視点が

 

他にもたくさん紹介されています。

Audible (オーディブル) – 本を聴くAmazonのサービス
アマゾンオーディブルの利用法については

 

上記リンクの他に

 

こちらの記事でもご紹介しています。

こんなに勉強が楽でいいの!?【アマゾンオーディブル】
 

 

 

 

まとめ

今回は

 

不登校や引きこもりに悩む親ごさんの

 

視点を変え,気持ちを軽くしてくれるような

 

ファクトフルネス

 

についてご紹介しました。

 

12月になり,一年が終わろうとしています。

 

新しい年にそなえて

 

新しい知識,見方をとりいれて見てはいかがでしょうか。

 

 

 

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