【大丈夫⁉】カウンセラーから校内適応指導教室への6つの心配

不登校支援

こんにちは ツナカンです。

 

ふだんは心理師として

 

不登校のお子さん

 

子育てに悩む親ごさん

 

学校の先生の応援をしています。

 

 

ここ数回、校内適応指導教室について

 

とりあげてきました。

 

 

これまでの記事でもふれてきましたが

 

校内適応指導教室はじつは新しいものではありません。

 

わたしもカウンセラーのかけだしの頃に

 

心の教室相談員として

 

学校に行けるけど教室には入れないお子さんと

 

かかわった経験があります。

 

当時、『相談室登校』といわれていました。

 

そんなおり、こんなネット記事が目に入りました。

 

 岡崎市が校内フリースクール「F組」を増設する訳 長期欠席者の増加率抑制、減少傾向の学校も

 

今回は、このネット記事をベースにしながら

 

校内適応指導教室について

 

わたしが思うところを書きます。

 

この記事を読んでもらうと

 

こんなことがわかります。

 

  • 校内適応指導についての心配
  • 校内適応指導教室の可能性

 

校内適応指導教室を利用するか迷っているのであれば

 

きっと参考にしてもらえるでしょう。

 

  • 実は新しいとりくみではない
  • 既成のワクを出ていない
  • 予算がついた意義は大きい

 

 

 

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【大丈夫⁉】カウンセラーから校内適応指導教室への6つの心配

校内適応指導教室は学校のなかにあるフリースクールです。

 

それを取材したのがこちらのネット記事。

 

もう一度ご紹介します。

 

 

そこでわたしが気になったポイントは以下です。

  • アルファベットのクラス名
  • “信頼の厚いエース級”の教員
  • 担任が教科も兼務している
  • 「遊んでばかりいる」ととらえる教員・保護者・生徒
  • 「校長による理念の浸透」
  • F組にトップランナーであることを期待する

 

正直に言って、つっこみどころだらけ です。

 

学校の枠から出られていません。

 

もちろん、設置する側はいろいろな意見があることは

 

覚悟のうえでされていることだと思うし

 

こうした方針が合っている子もいると思います。

 

ですので、あえてツッコミをいれさせてもらいます。

 

 

 

“信頼の厚いエース級”の教員

 

信頼しているのはだれなのでしょうか?

 

そもそも“エース級”なる人がだれにとってのものかがわかりません。

 

生徒でしょうか?

 

管理職でしょうか?

 

他の先生でしょうか?

 

保護者でしょうか?

 

全ての人から信頼をみたす人はいないでしょう。

 

だれかにかたよれば、他からの評価は下ることは往々にしてあることです。

 

なぜなら、それぞれの立場で求めるものがちがうからです。

 

生徒だったら

 

やさしいくてたよりになる先生がいい

 

 

かもしれないし

 

保護者だったら

 

 

子どものことや親をわかってくれる先生

 

 

かもしれないし

 

管理職だったら

 

 

指導力がある人

つまり

 

子どもに対してリーダーシップを果たせる人

 

が好まれるでしょうし

 

同僚の先生であれば

 

 

チームワークが組める人がいいです。

 

たとえば

 

自分の手が回らないときや、苦手な仕事をしてくれる人…

 

このように、それぞれの立場で求めるものはちがうのです。

 

 

それぞれから求められることに一定以上答えられる人はいるでしょうが

 

それを エース と呼んでよいのかという問題があります。

 

なぜなら学校の役職を決めるのは校長先生です。

 

結局さいごには、権威ある人の評価でえらばれるのです。

また、“エース” にえらばれたからといって

 

教師という役割やスタンスを完全になくすことはできません。

 

教師が校内適応指導教室の担当することはダメだとは思いませんが

 

教室のリーダーシップをとることが

 

教師の役割であり専門性でもあります。

 

そこからこぼれた子が不登校や

 

クラスになじめない状態になるのですから

 

教室のリーダーシップをとるという役割から

 

距離をとれる人であることが望まれます。

 

わたしの経験ではありますが

 

不登校や、クラスに入れない子たちには

 

教師としての役割ではなく

 

一人の人として個性を見せてあげる方が

 

安心してもらえるようです。

しかし学校という環境は、否応なしに

 

教師であることを求められます。

 

「先生」とよばれ

 

生徒からは教師として見られ

 

同僚や上司からも教師として評価されます。

 

そういうわけで校内適応指導教室の担任といえども

 

教師としての役割をぬぐのはむずかしそうです。

 

 

 

担任が教科も兼務している

担任がふつうのクラスの教科も担任していると

 

校内適応指導教室のケアの質が下がるかもしれません。

 

ふつうの適応指導教室では

 

職員は勉強を教えることがあっても

 

それはあくまでも通室するお子さんのためだけです。

 

しかし学校では、ふつうのクラスで教えながら

 

校内適応指導教室にかようお子さんの勉強を教えたり

 

相談にのったりすることになります。

 

クラスの授業はまえもって準備が必要になることもあるし

 

評価もしなければなりません。

こうした仕事をしながらの対応となると

 

校内適応指導教室のお子さんへのケアは

 

充分ではなくなることもありそうです。

 

また教室にいる子と同じスタンスで

 

対応してしまったり比べてしまうことも

 

うっかり現れてしまうこともあるでしょう。

 

子どもたちはこうした教師の言動には

 

敏感ですし、使い分けもカンタンではありません。

 

校内適応指導教室を使う側も

 

こうしたリスクをわかっておくべきでしょう。

 

 

 

 

 

「遊んでばかりいる」ととらえる教員・保護者・生徒

 

学校でまったりすごしているのを見ると

 

他の人たちからは白い目で見られることはよくあります。

わたしが関わっていた当時にも同じようなことがあり

 

子どもたちは人目につくのをさけながら

 

相談室にやってきました。

また当時は先生と生徒だけを気にしていればよかったのですが

 

SNSが発達した今の時代には

 

保護者が学校について多くのことを知っていたり

 

関わっていたりもします。

 

ですから、保護者からも

 

 

~さんの子は楽ばかりしている

 

という評価があっても不思議ではありません。

 

校内適応指導教室には他人の目が

 

子どもたちを苦しめることもあります。

 

 

 

 

校長による理念の浸透

ここには二つの課題があります。

 

  • 校長の理念がちゃんと浸透するのか
  • 校長先生がかわったらどうなるのか

 

です。

 

まず、校長先生が

 

 

校内適応指導教室は特別なところです

 

という理念をうちだしたとして

 

他の先生もそれに賛成してくれるかは別です。

 

先生も人ですし

 

 

イヤでもがんばってクラスにいる子もいるのにズルい

 

という考えは自然に持ってしまうものです。

 

こうした考えは、ふとしたときに言葉のはしばしに出たり

 

態度に出てしまうこともあります。

また、校長先生が教室に入れない子について

 

よくわかってくれる先生だったとしても

 

異動してしまったり、退職してしまったりしたら

 

次の校長先生が同じように考えてくれるとは限りません。

 

そうなると、

 

校内適応指導教室の居心地は

 

数年ごとにかわってしまうこともあるでしょう。

ですから

 

「校長先生の理念の浸透」という目標は

 

いまいち頼りにならないのです。

 

 

 

F組にトップランナーであることを期待する

クラスにいられない子に

 

トップランナーであることを期待するのは

 

子どもの気もちとズレていると思います。

 

なぜならクラスの中の

 

適応指導教室や別室に登校する子は

 

他人と比べられることに疲れてしまったり

 

能力があったとしても、クラスの中にそれを

 

評価されることがなかったことが多いからです。

ちょっと個性が強くてグループになじめない子

 

学校のスケジュールに疲れてしまった子

 

学校から求められる基準に合わない子

 

わたしはそういった子たちと関わってきました。

 

いわゆる、学校のワクにハマらない子たちです。

 

わたしがふだん勤めている適応指導教室では

 

それぞれにあった勉強をすることで

 

学力が大きく伸びて学年トップクラスの点数をとる子もいました。

 

しかし、それはだれかに勝つことを目指していたからではなく

 

自分が行きたいところに行けるように勉強をしているうちに

 

自然とそうなっただけのことです。

逆に、どうしても学力が上がらない子もいたし

 

むしろ下がる子だっていました。

 

こうした経験から言わせてもらうと

 

『学校のなかでトップを走らせる』

 

というのは、結局のところ “下から上にあげる” という

 

学校のワクから出られていない考え方  なのです。

だから、学校のワクにはまりたいという子は別として

 

学校に疲れてしまった子にとっては

 

ちょっと危うい考え方だと言えます。

 

 

 

意義は大きい

 

ここまでややディスり気味の内容になりましたが

 

校内適応指導教室のために

 

予算化されたのは意義が大きいでしょう。

わたしが若いころに関わっていたのは

 

正確にいうと校内適応指導教室ではありませんでした。

 

ほんとうのところは

 

開いている日が多めの相談室登校 

 

だったのです。

 

市の適応指導教室の職員が学校に出向いて

 

心の教室相談員と日替わりで

 

相談室をあけていたのです。

学校からすれば先生ではない人に

 

相談室の運営をおねがいしているカタチだったのです。

 

しかし、予算化することによって

 

そこに先生が勤められるようになります。

 

先生が担任してくれることで

 

相談員とはちがったネットワークがつながるようになります。

先生同士、話がしやすかったり

 

より気にかけるようになったり

 

教材がすぐに手に入ったり

 

と、先生だからこそメリットもあるはずです。

 

ですから、校内適応指導教室のために予算化されたのであれば

 

それはとても意義が大きいのです。

 

 

 

 

まとめ

 

今回は、ネットの校内適応指導教室の記事を参考に

 

校内適応指導教室について思うこと

 

について解説しました。

 

個人的にはせっかく不登校になったなら

 

不登校でしかできないような体験をしないともったいないと思います。

 

今回とりあげた記事についていうと

 

まだまだ学校のワクからは出られていないと言わざるをえません。

 

しかし、メリットも、大きな意義も感じられます。

 

これから10年の間で学校のあり方も

 

大きく変化を求められると思います。

 

そこで校内に適応指導教室があることで

 

学校の“当たり前”に一石を投じて新しい変化に

 

つながることだってありえます。

 

ですから、校内適応指導教室には期待もしています。

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