【大学生・プロ向け】カウンセラーが養護教諭に期待すること

学校

こんにちは ツナカン です。

公認心理師として

不登校のお子さんや

子育てに悩む親御さん

学校の先生方の応援をしています。

 

私たちカウンセラーが子どもや保護者の支援をするとき

担任の先生は最も重要です。

他に重要だと考えているのが

保健室の先生,つまり

養護教諭

です。

以前,不登校・登校しぶりに対して養護教諭に期待できること

を記事にしました。

 

最近の学校では,心に対する注目も高まっており

私のような教育支援センターのカウンセラーや

スクールカウンセラー(SC)との連携など

心のケアに関して重要なポストにあります。

このように養護教諭に期待するものも時代と共に変わりつつあります。

では,これからの養護教諭には何が求められるのでしょうか。

 

今回は,心理職の立場から

カウンセラーから養護教諭に期待したいこと

を私の立場から解説したいと思います。

 

 

結論から言うと

 

学校におけるケアの中心

であることです。

子どもや保護者にはちょっとマニアックな話ですが

本文ではこれを深掘りして解説していきます。

 

この記事はこんな方にオススメです

 

保健室の先生になりたい。
学校で子どもたちの役に立ちたい

 

これからの時代の学校はどんな風であればいい?

 

養護教諭
養護教諭

自分の仕事を整理して深めたい。

 

養護教諭に何を期待して良いの

これを読んでいただければ

将来の学校の在り方や

養護教諭の将来について考えるきっかけになると思います。

これによって,校内外の連携のしやすさにつながります。

 

 

 

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カウンセラーから養護教諭に期待したいこと

カウンセラーから養護教諭に期待していることは以下の通りです。

  • 子どもの安全基地であること
  • 心理的ケアに関する通訳であること
  • 心理的ケアに関する地ならし
  • 心理的ケアのコーディネーター

 

 

子どもの安全基地であること


保健室は学校の中で

困ったら行くところ

の代表です。

保健室は困ったらいつでもいけるように

養護教諭も学校にいつもいることになっています。

スクールカウンセラーと大きく違う点の1つはここです。

困ったらいつでも行ける場所がある

そして回復したらまた新しいことに挑戦できる

こうした子ども(人)の心理的活動を

探索行動(Bowlby)

と呼びます。

 

保健室で,高ぶったり,落ち込んだりした感情を受け止めてもらい

気持ちを元のように戻してもらう。

人はこうした存在があることで安心することができると言われています。

養護教諭はこうした役割を担うことになります。

また,このような濃密な関係性から得られる情報は

担任の先生と同じくらい重要です。

この情報は私がコンサルティングをする上で大変貴重な情報になっています。

 

一方で,養護教諭が学校の中でどのような立ち位置にあるかによって

得られる情報には偏りがあるのが現状です。

コンサルティングを行った後に

お子さんのことを継続してモニターしていける体制を求めたいところです。

 

 

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心理的ケアに関する通訳であること


カウンセラーがコンサルティングに入ったり

心理面接をしたときに,注意してもらいたい点があります。

  • カウンセラーの意図・方針の理解
  • 校内で共通認識を作る
  • 支援の継続性

どのような意図・方針で支援をしているのか

学校に十分に伝わらなければ,ほぼ無意味です。

学校も多忙の中での対応ですから,コンサルティングの効果や

心理面接の方針などが忘れられてしまうこともありますし

職員間の共通認識につながらないこともあります。

その結果,支援の一貫性がなくなり途切れてしまうということがあるのです。

 

このような時に,支援会議の場などで

改めて方針の確認などを行ってもらいたいのです。

子どもの実態を知った上で,カウンセラーや教員との間の橋渡しができるのは

学校に常駐している養護教諭だと考えています。

学校のありようを劇的に変える必要はないと思います。


漢方薬か点滴のようにじわじわと浸透していくような

そんなイメージです。

 

 

心理的ケアに関する地ならし


カウンセリングは一般の人からすると

まだまだ怪しい雰囲気や偏見があって

カウンセリングを勧められても消極的だったり

「学校の先生に勧められたから・・・」

という理由で相談につながることはけっこうあります。

常に学校にいる養護教諭が

心理的ケアに関してある程度の知識があり

説明や理論的な対応が少しだけでもできていれば

専門的なケアにもつなぎやすいはずです。

 

また職員に対しても

会議などで心理的な理論を背景に説明することができれば

それが学校の共通認識へとつながります。

忙しい養護教諭の先生方からは

「そんなのムリ」

という声が聞こえてきそうですが

普段,さりげなく関わっていることの中には

心理学的な理論で説明できることが沢山あります。

また,関わりに対する理論的なバックボーンがあることで

他者に対する説明に説得力を持たせることもできるのです。

ですから,時間を作ってでも学ばない理由はないはずです。

 

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心理的ケアのコーディネーター


学校における心理的ケアを広げ,深めていくためには

学校の組織の中でそれを担うチームが必要です。

またチームの中には中核となる人が必要です。

個人的には業務内容から言って,養護教諭が適任だと考えています。

生徒指導は子どもの将来志向性を引き出すのが目的であって

アタッチメントのように,ケアとは異なるからです。

ですから,ケアの必要性が高い場合には

養護教諭が前面に出てチームをコーディネートすることが

あっても良いと思います。

またこうした体制をとるには,管理職の柔軟さも求められます。

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文部科学省の養護教諭の位置づけ

文部科学省は

養護教諭は、児童生徒が生涯にわたって健康な生活を送るために必要な力を育成するために、教職員 や家庭・地域と連携しつつ、日常的に、「心身の健康に関する知識・技能」「自己有用感・自己肯定感(自尊 感情)」「自ら意思決定・行動選択する力」「他者と関わる力」を育成する取組を実施する。
文部科学省(2017)現代的健康課題を抱える子どもたちへの支援-養護教諭の役割を中心として-

としています。

簡単にまとめると

  • 心と体の健康を自分で管理できる
  • 自分を大事に思えること
  • 自分で考えて動けるようになること
  • 他の人とバランスをとって接すること

これを学校内外と連携して子どもの心身の発達を支えてくださいということになります。これを見ると心理的なケアの重要性が強くあげられていることがわかります。さらに心身の健康の保持増進に関して、課題を抱えた児童生徒を学校で確実に把握するため、養護教諭 が中心となり、児童生徒の健康観察で把握しなければならない基本的な項目について、全教職員及び保護者に対して周知するとともに、学校内及び地域の関係機関(教育関係機関・保健福祉機関・医療機関等)との連携について、学校として体制を整備しておく。その際、養護教諭が関係機関との連携のための窓口として、コーディネーター的な役割を果たしていくことが重要である。としています。こうしたことからもカウンセラーとの連携は必然的に濃くなるのです。
まとめ普段の学校生活でも重要な存在であり専門的な心理ケアに繋げる上でもキーパーソンになる養護教諭に期待したいことついて解説しました。
期待したいことは

  • 子どもの安全基地であること
  • 心理的ケアに関する通訳であること
  • 心理的ケアに関する地ならし
  • 心理的ケアのコーディネーター

でした。つまり学校におけるケアの中心です。
ケアの中心的役割として本格的に活動するとなればもちろん新しい仕事も増えるでしょう。しかし,その大半は普段のとりくみを整理し理論的に説明することで成しとげられると思います。私はそんな期待を持ちながら今後も養護教諭の先生方と連携を深めて行きたいと思います。

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