こんにちは
海サンポニスト ツナカンです。
マインドフルネスと言えばヨガ
ヨガと言えばマインドフルネス
というくらい,マインドフルネスと
切っても切り離せないのが
ヨガ
です。
私もヨガをやることがありますし
ヨガの気持ちよさは知っています。
そんなヨガは色々な効果があると言われますが
それはどの程度のものなのでしょうか
やってみると気分が良くなるし
確かに良いことがありそうですが
本当に何らかの効果があるものなのでしょうか。
実際,ヨガの効果には課題もあるのです。
今回は
① ヨガの効果と,その課題
② それでもヨガをする理由
について解説します。
結論を言うと
効果はあるかもしれないけど,断言できない
それでも,続ける理由がある
のです。
この記事はこんな方にオススメです。
ヨガが趣味
ヨガインストラクターをしている
よくヨガには効果があるというけど本当?
ヨガってどんな効果があるの?
この記事を読んで,
ヨガの効果についてどう言われているのか
それを知ることで
ヨガについてより深く考えることができると思います。
恋人や夫婦と同じで
良いところと,そうでないところを知ることは
より深い関係になることができるのです。
効果は未知数でもヨガをやる理由
この記事のために論文を三本ほど当たりました。
それらはレビューの記事です。
レビューとは,いくつもの論文を読んで
まとめたものです。
つまり広く多く情報を集めているので
それだけ正確性も高くなるということになります。
またその中には ランダム化比較試験 & メタ解析 という
ランダムに広く選ばれた人を対象に
いくつもの効果があるとされる論文を集めて
効果を抽出した論文のデータも含まれています。
レビューを紹介しながら,これから
ヨガの効果とその課題
その後,それでもヨガをする理由について
私なりに解説していきます。
ヨガの効果
ヨガの効果としてこのようなものが紹介されていました。
- リラクゼーション効果
- 筋肉増強・血行改善・ホルモン分泌機能と免疫機能の改善
- 心理的に健康な感じ・気分の向上
- 強迫神経症・うつ病の改善
- ADHDの子の集中力の向上
宮古登(2008)ヨガの,心身の健康効果についての文献リビュー,大阪経大論集59-3.
これはほんの一部です。
これを見るだけでも色々と良いことがありそうです。
やっていて気持ちが良いのですから
何か良いことがありそうですよね。
また行動には必ず結果がともなうので
ヨガをしている以上,それなりの変化があってもおかしくないはずです。
ヨガの効果に対する課題
一方でこのような指摘もあります
サンプルサイズが小さい・比較対照群の内容・介入方法が統一されていない 久木元ら(2019)
全般的にヨーガを用いた心理療法のエビデンスは不足 有村(2014)
つまり
- 研究の対象となる人が少人数である
- ヨガをやった人とやっていない人を比較する内容がバラバラ
- ヨガをやった人とやっていない人を比較する方法がバラバラ
- ヨガを用いた心理療法に効果があるというだけの材料が少ない
ということです。
これを見ると,ヨガには過剰な期待や
効果があると妄信はしない方が良さそうです。
ヨガを用いた心理療法については例外的に
J・カバットジンが開発した
マインドフルネスストレス低減療法
についてはエビデンス(効果)が一定程度あるとされています。
ヨガに効果があるかどうかをはっきりと示すには
先程の指摘の反対,つまり
- より多くの人を対象に
- ヨガをやった人とやっていない人を比較する内容を統一する
- ヨガをやった人とやっていない人を比較する方法を統一する
- このようなデータをたくさん集める
ということが求められます。
単に気持ちが良いからやるだけでも十分な理由なのですが
食べ物であれば
メディアが「体にいいから」と勧めていたり
美味しいと思って食べていたものが
肥満の原因になることだってあるのです。
ですから,影響について考えることは必要なことです。
効果がわからなくてもヨガをする理由
このような意見を見て
ヨガに対するモチベーションに変化はあったでしょうか。
今,ヨガをしているほとんどの人が
続けるだろうと思います。
万が一,それが悪いものであったとしても
人は変化を嫌がるからです。
私もヨガをやめることはないでしょう。
それには以下のような理由からです。
- ヨガは動作瞑想でありトレーニングだから
- 瞑想そのものが人生の縮図だから
- 効果を得るためではなくマインドフルネスだから
ヨガはそもそも今のようなエクササイズではありませんでした。
現代のヨガはアーサナと呼ばれる身体的なポーズをきめる
ことが中心になっています。
一方,古代のヨガは瞑想が中心であり
アーサナに関する記述はほとんどなかったそうです。
しかし,ストレッチエクササイズであったとしても
瞑想を目的としているのであれば
マインドフルネスワークとして成立します。
実際に,身体感覚と動作を頼りにすると
“今この瞬間”に意識を向けると
動かないよりもやりやすいのです。
また,瞑想をしているとわかるのですが
瞑想中にはさまざまな考えや感情が訪れます
それらと向き合っていると,自分がいかに普段の生活のなかで
心を揺さぶられているかがわかります。
それとの向き合い方はまさに人生そのものであると実感できます。
また,そもそも効果を得ようとすること自体が邪念です
効果はないかもしれないけれど
ヨガをすること自体が自分にとって必要だ
と考えれば,効果などは二の次になります。
ヨガをしている時間を味わい,楽しむ
そのことがマインドフルネスなのです。
おすすめのヨガポーズ
私が特にお勧めするポーズは
木のポーズです。
すでにヨガをしている方には
なじみのあるポーズ・体験だと思いますが
紹介します
- 深刻に考えごとをする
- 木のポーズをとる
- ポーズをとりながら考えごとをする
ポーズをとっている間
考えごとがうまくできなくなったり
逆に,余計なことを考えにくくなったりします。
私は考えごとがうまくできなくなるのですが
人によっては,逆に「頭がクリアになった」と言う人もいます。
こういう体験はまさにマインドフルネスなのです。
まとめ
今回は,
① ヨガの効果とその課題
② それでもヨガをやる理由
について私なりに考察してみました。
結論は
- ヨガは健康に効果がありそうだが,断言はできない
- ヨガは動作瞑想であり人生のトレーニング
- ヨガを味わうことが大事で,効果は二の次でも良い
です。
こんな風に,なんとなくやっているヨガについて
色々な角度から考えることで
またちがう味わい方ができるのではないでしょうか。
参考・引用)
有村達也(2014)ヨーガを取り入れた心理療法のエビデンス,応用生涯心理学研究第13号.
久木元由紀子・藤重仁子・外村晴美・五十嵐淳介・前田薫(2019)現代ヨガが心疾患・肥満・乳がんサバイバーに与える効果-文献レビュー-,森ノ宮医療大学紀要13巻.1-14.
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