【誤解ですよ!】「HSCは学校がニガテ」!?

不登校支援

こんにちは ツナカンです。

ふだんは心理師として

不登校のお子さん

子育てに悩む親ごさん

学校の先生を応援しています。

 

近年、なにかと話題になるHSP。

これの子ども版が HSC(Highly sensitive child) です。

しかし、このHSPもHSCもかなりの誤解がされたまま

世間に広がってしまっています。

 

そんなわけで不登校や登校しぶりの原因を

HSCにもとめる親ごさんも増えていますし

教育関係者でさえ、誤解されたままのHSCを

使っていたりします。

 

今回のテーマは

「HSCは学校がニガテ」という誤解 について

お伝えしたいと思います。

今回の記事を読んでもらえれば

  • 「HSCは学校が苦手」という誤解
  • HSCが不登校になってしまった時の対処法

についてわかるでしょう。

 

 

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【誤解ですよ!】「不登校は学校がニガテ」!?

 

最初に結論をいってしまいましょう!

HSCだからといって学校が嫌いではありません!

HSCとは環境に対して人一倍ビンカンなお子さんです。

学校の環境が良ければ

むしろ人一倍学校が好きになりやすいのです。

以下に架空事例をご紹介します。

 

 

 

ある日、子どもが学校をしぶるようになりました。

 

初めは「隣のクラスの先生が怖い」と言ってきました。

 

話をきいているうちに、周りの子が怖いとか

 

音がうるさいと言うようになりました。

 

きっとHSCだったのに、今まで他人の表情や感情を読みすぎて

 

疲れてしまったんだと思います。

 

 

家の中では特に何もないのですが

 

HSCだからと、あまり学校の話をしないようにしていました。

 

すると宿題をやらなくなってきて自分の好きなことだけしています。

 

hscの本を読んだのですが、うちの子に当てはまることばかりで

 

口うるさく言うと自信をなくしてしまうでしょうし

 

もちろん𠮟りつけるのは良くないと書いてありました。

 

でもこのままだと、ただワガママになるだけで

 

将来がとても不安です。

 

 

なんとか放課後登校をして

 

担任の先生に会いに行くようにはしていますが

 

学校の話をされたり、行事の参加をすすめられたりすると

 

 

不安になってしまうようで

 

先生の前で無言で立ちつくしてしまいます。

 

そして家に帰ると部屋にこもってしまったり

 

すぐにさっきのことを忘れようとゲームをしたがります。

 

HSCのわが子にあまり刺激を与えられないし

 

どうすればいいのか困っています。

 

 

このように誤解にもとづいて応じてしまうと

子どもがよけいに学校に行けなくなることもあるのです。

この事例を元に、この対応の問題点をお知らせします。

 

 

問題① 読んだ本に科学的根拠がない

今の時点で、HSP・HSCにきちんとした

科学的な根拠がある本はほとんどありません。

科学的な根拠にもとづいた本であれば

「刺激してはいけない」

とは書いていないはずです。

この事例のようにHSCかどうかに関係なく

「となりのクラスの先生が怖い」

「周りの目が気になる」

「音がうるさい」

そんな風に言う子はふつうにいます。

また本やネットにあるようなチェックリストのほとんどは

科学的な根拠が不十分なものばかりです。

ですから、それを真にうけて

子どもに対して腰が引けてしまったために

子どもの生活はどんどん内向きになって行ったと考えられます。

HSP(C)関連の本は慎重に選びましょう。

 

 

 

問題② チェックリストを真にうけてしまった

先にもお伝えした通り

科学的な根拠がとぼしい本のチェックリストを

真にうけてしまったために

このような問題が起きてしまったのです。

ちまたに広まっている本の多くで

ある臨床家の臨床経験や根拠が不十分なものだったり

HSPを自称する人の経験談にもとづくものが記載されています。

科学的な根拠を満たすものはさまざまな条件を整えた上で作られます。

 

例えば

  • いろいろな人を広く対象にする
  • できるだけ数多くの人を調べる
  • 二人以上の人から見てもチェック項目が正しい
  • 何度もくりかえし調べる

 

などの工夫をしています。

ところが上記のようなものは

一見して正しそうに見えるのですが

けっこうまちがえていることが多いのです。

 

心理学を知らない人にとっては

ついついチェックリストを判断材料にしてしまいますが

そのチェックリストは、誰にでもあてはまるようなことが列挙されていて

むしろ当てはまらないことを探すのがむずかしいくらいです。

 

“パン粉がついていて、丸くて、あげたものはコロッケ”

と言われると、そこにまちがいなさそうですが

中身をたしかめてみたら

クリームかもしれないし

メンチかもしれないし

ジャガイモかもしれません。

人は困った状況におかれてしまったら

たいていの行動パターンは決まっています。

今ちまたで広がっているHSCのチェックリストも

それらをただ並べているに過ぎないようなものが少なくありません。

 

ですから多くの本のチェックリストを真にうけて

不登校の子に応じるのはかなりリスクが高いのです。

 

 

 

問題③ 子どもの登校しぶりの原因を『HSC』にしてしまった

子どもの不登校の理由がわからない

しかも、子どもがその話をしてくれない

子どもが話してくれてもイマイチ判然としない

そんなときには理由をいろいろなところに探したくなります。

そしてHSCに辿りつく…

 

先に述べたように本やネットのHSCのチェックリストは

多くの人が当てはまるような項目の列挙だったりします。

ですから、科学的な根拠に基づくチェックリストを使う必要があります。

ただし

HSCだから不登校(登校しぶり)だと(仮定)しても解決にはならない

という前提です。

 

HSCだとわかったとして不登校は解決しますか?

という疑問が出てくるのです。

 

 

 

HSCの不登校(登校しぶり)を解決するために必要なこと

お子さんがHSCだったとしても

そうでない不登校の子で対応に大きな差はないと考えています。

なぜなら

  • HSCは医学的所見ではない
  • 学校の環境が良ければ、むしろ行けるようになる
  • HSCだったとしても学校の対応は変わらない

からです。

そこで、HSCのお子さんの不登校(登校しぶり)には

こんな方法を提案します。

 

  1. 学年が切りかわるまで適応指導教室やフリースクールを使う
  2. 勉強は続ける
  3. 生活のリズムは崩さない
  4. 子どもが話がしやすいように待つ
  5. 学校とのつながりを持ち続ける

以下、それぞれについてもう少し解説します。

 

 

 

学年が切りかわるまで適応指導教室やフリースクールを使う

先に述べたように、環境が良ければ

ふつう以上に学校に適応できるのがHSCのお子さんです。

 

たしかに学校に行けなくなったのは

クラスの雰囲気が悪いとか、隣のクラスの先生のことが

理由になることがあるのかもしれません。

 

一方、日本では学年も学級もひんぱんに変わります。

学年が変わることで環境も変わります。

そこで、学年が変わるまで適応指導教室やフリースクールを使うのです。

すると生活リズムを大きく崩すことはありませんし

そういう場では学校よりも

個人の特性に合わせてくれることもあります。

 

ちょっと消極的じゃないかなぁ?

と思うかもしれませんが

家庭と学校の相談で変えられることには限界があります。

 

ですから学校とはほどよい距離で付き合いながら

環境が変わるのを待つのも一つの方法です。

 

 

 

勉強は続ける

 

最初にあげた事例では

HSCを理由に

勉強をさせると学校を思い出させてしまう

と考えて勉強をさせずにゲームの時間が伸びるのを許してしまいました。

すると、ゲーム依存の道が待っています。

 

ですから

 

学校に行かなくてもいいけど、勉強はしよう

と説明して勉強は続けた方が良いでしょう。

わたしがかかわったお子さんの中には

ずっと中学校に行けなくとも

高校からは行けるようになった子もいます。

 

このように仮にしばらく学校に行けなくても

学力は将来にわたって使うことになります。

ですからHSCであっても勉強は続けてもらいましょう。

 

 

 

生活のリズムは崩さない

 

HSCだからといって生活リズムを乱す理由にはなりません。

環境に対する感受性が高いのですから

環境を整えて、いつ学校に行っても大丈夫なように

生活リズムは整えておきましょう。

ゲームもYouTubeも生活リズムを乱す原因になりやすいので

ルールを設け、なおかつしっかり守らせて

適度に使ってもらいましょう。

 

 

子どもが話がしやすいように待つ

親は『HSCだから』という理由を見つけられた(?)としても

子どもにとっては理解がむずかしいかもしれません。

 

そもそも、学校に行けない理由がHSCと

本当に関係があるのかどうかもわかりません。

 

もっと他の理由である可能性もあります。

そして、その理由を話せるようになるまでには

多くの場合、時間がかかるものです。

ですからムリに聞きだしたり

かといって、なかったことにしたり

『HSCだからだよ』などと説得したりせず

子どもの感じたままが説明できるようになるまで

待つ必要もあります。

 

そのために、親ができることは

 

話したいときには話してもいいんだよ

と伝えて、ふだんの生活リズムがととのうようにしましょう。

 

 

 

学校とのつながりを持ち続ける

 

先の例では学校とのつながりが切れないように

放課後登校をしていました。

日中に学校に行けなかったとしても

つながりをつけておくことは良いと思います。

子どものありのままの状態を学校に伝えることになり

お子さんに配慮しやすくなるでしょう。

また学校に行けなくても、復帰に向けて

何をしておけばよいのかがわかるので

お子さんが学校に復帰する時のハードルも下げられます。

 

 

でも、子どもが学校に行きたがらないときはどうしたらいい?

と悩むこともあるでしょう。

もちろんムリヤリ行かせることは得策ではありません。

 

そんなときは、放課後登校することによって

どんなメリットがあるのかを考えて相談してみましょう。

場合によっては、トークンエコノミー法などで

メリットを作り出すということも必要かもしれません。

ちなみにトークンエコノミー法はカンタンなようで

実はそれなりにむずかしいものですので

カウンセラーなどの専門家と相談しながら進めましょう。

 

 

 

 

まとめ

 

今回は

  • 「HSCは学校が苦手」という誤解
  • HSCが不登校になってしまった時の対処法

についてお伝えしました。

 

HSCは環境に対する感受性の高さです。

HSPやHSCは科学的な根拠にもとづいた理解が必要です。

今は科学的な根拠にもとづく本はほとんどありません。

この記事を読んで、もっとちゃんと理解したいと思ったら

こちらの本をぜひお手にとってください。

科学的にきちんと説明している本は

今の段階ではこれだけだと思います。

 

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