「サボりじゃない」起きられない病気【概日リズム障害】

不登校支援

こんにちは

 

ツナカンです。

 

公認心理師のとして

 

不登校のお子さんや

 

親ごさん

 

先生方の

 

サポートをしています。

 

 

 

中学2年生くらいから

 

朝,起きるのがつらくなってきて

 

中3のころから遅刻・欠席がふえてしまいました。

 

ときどきは朝から行けるんですが…。

 

 

 

親には毎朝起こされますが,起こされてることにも

 

気づけないくらい意識がないんです。

 

目が覚めてから『また起きられなかった…』

 

そんな気分になっておちこみます。

 

 

 

自分でも起きなきゃいけないのはわかってるのに

 

起きられないんです。

 

 

 

それから親と病院へ行ったら

 

『睡眠障害の可能性が高い』

 

といわれました。

 

 

親から

 

『もっと早く病院につれていけばよかった』

 

と言われ,あやまってくれました。

 

 

 

それから学校にも病気の可能性のことを伝えました。

 

ボクが希望している高校は

 

家からちょっとはなれているのですが

 

担任からは

 

『やめた方がいい』

 

といわれました。

 

 

中学2年までは学校に行けていて健康だったから

 

『なかなかわかってもらえないんだ』

 

と思ってショックです。

 

 

 

たしかに,受かったとしても行けるのかも心配です。

 

どうしたらいいんでしょうか。

 

 

 

学校にいけないお子さんのなかには

 

 

学校がきらいなわけじゃないんだけど起きられない

 

のように 睡眠の問題 を抱えていることがあります。

 

これはお子さんの気もちの問題ではなく

 

生理的な理由かもしれませんよ。

 

それが周りの人からわかってもらえず

 

とても苦しい思いをしている子もいます。

 

 

今回は

 

ちゃんとした理由もないのに

 

子どもが朝起きないんです。

 

という親ごさんや

 

 

起きなきゃいけないのはわかってるのに

 

起きられないんです。

 

というお子さんに向けて

 

学校に行けなくなる睡眠の問題

 

について解説します。

 

この記事を読んでもらえれば

 

 

起きられないなんて甘えてる

 

 

という

 

カンチガイをあらためて

 

朝おきられないお子さんのために

 

親ができることがわかるでしょう。

 

また,朝おきられないお子さんにも

 

知ってもらうことで

 

いっしょに考えるきっかけにもなるでしょう。

 

 

 

 

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「サボりじゃない」起きられない病気【概日リズム障害】

 

さきほどあげた例は

 

自分ではどうにもできない病気かもしれません。

 

でも,病気だと気づくまでには

 

時間がかかりそうです。

 

 

 

なぜなら,起きられないというのは

 

サボっているように見えてしまうからです。

でも病気なのだとわかれば

 

お子さんにはちがう対応をしてあげられるはずです。

 

 

 

概日リズム障害のしくみ

 

e-ヘルスネット(厚生労働省)より

 

 

ヒトの体内時計の周期は

 

じつは24時間ではないと言われています。

 

そこで

 

朝日をあびたり

 

いいタイミングで食事をしたりすることで

 

からだの外の24時間の周期とあわせていきます。

ところが,この時間のズレをうまく修正できなくなると

 

睡眠・覚醒リズムに乱れが生じます。

 

昼には昼の,夜には夜にあわせた生活をしていれば

 

リズムの乱れはおきにくいのですが

 

今の世の中は,夜に明るい場所(コンビニなど)で

 

過ごすことや,時間が増えたり

 

ネットで夜更かしをしたりするようになって

 

睡眠のズレがおきやすくなります。

また,このズレが直しにくくなっていると考えられています。

 

このずれを修正することができない状態が続くと

 

望ましいときに眠りにつき

 

望ましいときに目覚ることができなくなってきます。

 

 

 

概日リズム障害とは

概日リズム障害をただしくいうと

 

概日リズム睡眠‐覚醒障害群

 

とされています。

 

主な症状は

  • 寝ていられる時間が安定しない
  • 長くつづいたり,治ったと思ったらまた再発したりする
  • 睡眠が安定しないために強い眠気におそわれたり,逆に眠れなくなる
  • 眠れないことによって生活に差しさわりがある

 

 

 

そして,子どもがおちいるパターン(症候群)があります。

 

  1. 寝る時間と,起きる時間がおそくなってしまい起きられない(睡眠相後退
  2. 寝る時間と,起きる時間が早くなってしまい睡眠がつづかない(睡眠相前進
  3. 眠れる時間がどんどんズレて,起きる時間もおそくなってしまう(非24時間睡眠覚醒
  4. 寝る時間と,起きる時間がバラバラになってしまい,その時間も日によってちがう(不規則性睡眠覚醒

DSM-5精神疾患の分類と診断の手引きをもとに筆者がアレンジ

 

とくに,サボっている,甘えているように見えるのが

 

非24時間睡眠覚醒のパターンです。

 

寝つける時間がかわってしまうため

 

眠りが深い時間帯や浅い時間帯が

 

日中にずれていってしまうため

 

朝、起きるべき時間に目が覚めないのです。

 

 

 

概日リズム障害への対処法

 

 

うまく寝られないし,起きられないんです。

 

どうしたらいいんですか?!

 

 

そんなときにはこんな方法があります。

  1. 起きたら2時間以内に30分以上,“目に入れる”
  2. ブルーライトを避け夕方は間接照明などでオレンジ色にする
  3. 食事を三食とる10~12時間開く(絶食時間)
  4. シャワーよりもお風呂に入る
  5. 寝る前はおだやかにすごす
  6. 起きている間は布団から出てすごす
  7. 病院で相談する

 

 

①起きたら2時間以内に30分以上,“目に入れる”

 

朝日を目が知覚することによって

 

脳が

 

もう朝か

と目を覚まします。

 

晴天でなくてもかまわないので

 

じっくりと朝日を浴びましょう。

できたら軽いウォーキングをしていると

 

よいかもしれませんね。

 

学校に行けなくなってしまったのなら

 

朝はそんな風に過ごすのもありです。

 

 

②ブルーライトを避け夕方は間接照明などでオレンジ色にする

ブルーライトは朝日にもふくまれていて

 

目を覚ます効果があります。

 

照明やスマホ・PCなどからも発せられています。

 

照明やスマホ・PCくらいの発光量であれば

 

さほど問題にはならないとも言われていますが

 

子どもは,大人よりもビンカンで

 

光によく反応します。

念のため,夕方からは電子機器をできるだけ見ないようにして

 

夜はオレンジ色の電灯にするか

 

もしくは,蛍光灯は間接照明にするなどして

 

目に入る光の量をへらしましょう。

 

光の量をへらすために,サングラスをつかうのも良いでしょう。

 

 

 

⓷食事を三食とる10~12時間開く(絶食時間)

睡眠リズムは内臓からも作られています。

 

日中にしっかりと食べて

 

夜間に10~12時間,何も食べない時間ができると

 

それを脳が

 

 

今,夜なんだな

 

と感じて眠れるようになってきます。

 

こんなふうに食事を3食とると

 

内臓のリズムが回復します。

 

食事は中身も大切ですが

 

タイミングも大切なんです。

 

 

 

④シャワーよりもお風呂に入る

睡眠リズムは

 

からだの奥で保たれている深部体温

 

 

からだの外に出されている皮ふ温

 

があります。

 

この温度差が2度以上開いたあと

 

開きは少しずつ小さくなっていくときがきます。

 

このときに眠気が来るのです。

 

シャワーでは主に皮ふ温が上がりますが

 

深部体温は上がりにくく

 

お風呂は 深部体温 と 皮ふ温 

 

いっしょに上げる効果があります。

 

そのため,深部体温 が下がるタイミングで

 

眠くなりやすくなります。

 

 

 

⑤寝る前はおだやかにすごす

 

 

枕元においておくと

 

寝つきがわるくなるものはこちらです。

 

  • スマホ
  • タブレット
  • TV
  • 時計

 

これがすべてではありませんが

 

とにかくテンションをあげたり

 

こころを乱すようなアイテムは

 

おいておかないことです。

 

 

時計がないと目が覚めないじゃん

 

と思うかもしれません。

 

でも,なかなか眠れないときに

 

時間を見てしまうと

 

 

まだ眠れない。

また寝られない

 

とかえってイライラしてしまいます。

 

ちなみに,わたしもベッドルームにある

 

時計は気をつけています。

 

  • カチカチと針の音がしない
  • 時計をかくせる
  • 音ではなく光で目が覚める
  • オレンジ色の光がでる

 

というものです。

 

オススメする目覚まし時計はこちらです。

 

 

 

⑥起きている間は布団から出てすごす

 

寝られないときに

 

いつまでも布団に入っていると

 

 

布団は眠れないところだ

 

と体がおぼえてしまいます。

 

ですから,寝るときだけ布団に入ります。

いつまでも寝つけないときには

 

布団ではないところで横になります。

 

 

 

⑦病院で相談する

 

あまりにもうまく眠れないときには

 

早めに病院に行くことをオススメします。

 

とくに 睡眠外来” という科が

 

あるところがよいでしょう。

専門の医師や,カウンセラーもいるでしょうから

 

この記事よりも

 

こまかいアドバイスがもらえるはずです。

 

 

 

 

 

まとめ

 

今回は,学校に行けなくなる睡眠の問題である

 

概日リズム障害

 

についてご紹介しました。

 

うっかり,サボりだと思うと

 

子どもにとってはとてもつらい思いをします。

 

実は,わたしも睡眠障害になって苦しんだ時期がありました。

 

あのころは,すぐに落ちこんでしまったり

 

怒りっぽくなったり

 

カゼをひきやすくなったり…

 

なによりも“寝る”という当たり前のことが

 

できなくなってしまった自分が

 

あまりにも無力に感じられました。

 

でも,眠れるようになってしまえば

 

また当たり前のように寝られるようになって

 

体調も,気もちもまったくかわって元気になりました。

 

「寝なきゃいけないのはわかってるけど眠れない」

 

そんな悩みを持っているのなら

 

生活を変えてみてはどうでしょうか。

 

もしかしたら今

 

「どうせムリだ」

 

と思っていることは

 

睡眠不足からきているのかもしれませんよ。

 

それを放置しているのだとしたら

 

とんでもない損をしていることになりますね。

 

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